<大相撲初場所>◇11日目◇24日◇東京・両国国技館
大関豊昇龍(24=立浪)が新鋭の壁になって優勝争いに踏みとどまった。
新入幕の西前頭15枚目・大の里と対戦。立ち合いは押されたが、最後は右からの下手投げで2敗を守った。大の里との対戦は高校時代以来と言い、豊昇龍は「負けたくなかった」とプライドを見せた。関脇琴ノ若は単独トップの1敗をキープ。横綱照ノ富士、綱とりの大関霧島も2敗を守った。
大の里の突進をまともに受けて下がっても、勝負根性はピカイチだった。「狙い通りにまわしが取れたんでよかったと思います」という豊昇龍にとって右の下手が命綱。追い込まれた土俵際、大の里の巨体を引きずるような渾身(こんしん)の下手投げを決めた。
「高校以来の対戦なんで楽しみにしてました」と自ら口火を切って明かした。豊昇龍が日体大柏高3年時の高校相撲金沢大会。新潟の海洋高2年の中村(大の里の本名)と対戦し、内掛けで勝った。
「高校の時から体はでかかったよ。学年は下だったけど、迫力あったよね」。でかい相手こそ燃えるのが、おじの元横綱朝青龍の血を引く豊昇龍。大相撲の土俵でも、先輩であり、大関という番付上位者として「負けたくなかった」と闘魂をメラメラ燃やした。
大の里の素質は認める。「やっぱり強いと思いますよ。体のバランスがいいよね。(下手投げは)狙ったわけじゃない。体に任せたんで。結果を出せてよかった」。大器の実力は認めつつ、きっちり壁となってはね返した。
初優勝した昨年名古屋場所でも、新入幕の伯桜鵬の挑戦を退けた。「あのときは(大関昇進も含め)いろいろかかっていたからね」と言うが、やはり負けん気が表情にも言葉にもにじみ出る。おじさんの朝青龍も先日、朝稽古に顔を出してハッパをかけられという。
2連敗からの5連勝で優勝争いに残った。「それは気にしていない。1日一番を大事にしていきたい」。勝負の残り4日間。新鋭の挑戦を退けた豊昇龍が、主役候補に急浮上してきた。【実藤健一】