琴ノ若またも“壁”越えられず…照ノ富士に敗れV争い単独トップ陥落「切り替えるしかない」

琴ノ若(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・中島郁夫)

<大相撲初場所>◇13日目◇26日◇東京・両国国技館

単独トップだった関脇琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)が、横綱照ノ富士に敗れ、優勝争いは大混戦の展開にもつれ込んだ。立ち合いで左は差せず、もろ差しはならなかったが右を差した。だが、その右をきめられながら振り回されると、左上手を許して引きつけられ、そのまま寄り切られた。照ノ富士にはこれで、互いに十両だった20年初場所の初顔合わせから7連敗。うち照ノ富士が横綱に昇進してからは6連敗で、またも“壁”を乗り越えることはできなかった。琴ノ若は11勝2敗。優勝争いのトップは、大関霧島を含めて2敗で3人が並んだ。

取組後は「切り替えるしかない。明日(14日目)、しっかり集中します」と、悔しさを押し殺しながら話した。その14日目の対戦相手は取組後に決定。同じ2敗の大関霧島戦が組まれた。最終盤でピークに達する疲労について問われると「大丈夫です」と話した。

大関昇進目安は三役で3場所33勝。琴ノ若は最近2場所ともに関脇で、先々場所9勝、先場所11勝と、計20勝を挙げてきた。この日の12勝目に届かず、昇進目安には依然としてあと2勝。横綱には敗れたが、両大関との対戦が予想される残り2日間を連勝すれば、大関昇進、さらには初優勝の可能性が高まる。

前日12日目の取組後、これまで照ノ富士に勝てなかった理由について「自分が弱かったから」と答えた。小結だった昨年夏場所の前回対戦は、勝てなかったが善戦もした。それでもこの日の朝稽古後は「負けは負けなので」と、勝たなければ善戦しても、一方的に敗れて同じとの考えを示した。裏を返せば、それだけ照ノ富士戦に勝つことに飢えていた。

前回対戦以降、照ノ富士とは稽古場などでも、胸を合わせたことはなかった。横綱と関脇という番付の差があるが「負けて当たり前とは思っていない。誰が相手だろうと、同じ気持ちで向かっていくのは変わらない」と、力説していた。照ノ富士以前、4横綱時代もあった世代の近い白鵬、稀勢の里、鶴竜、日馬富士との対戦はなし。琴ノ若にとって、横綱戦初白星を目指したが、かなわなかった。

残る2日間は綱とりの霧島、来場所の綱とりにつなげたい豊昇龍という、両大関との対戦が予想される。過去の対戦成績は、霧島には2勝8敗、豊昇龍には4勝10敗。大きく負け越している。最大の“壁”に阻まれた上に、初優勝までには山脈のように、大きな“壁”が続く。残り2番。初優勝も、大関昇進もつかみ取るためにも、連勝への思いを強めていた。