<大相撲春場所>◇5日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪
楽しみにしていた大の里の相撲を含め2番が不戦になり、上位陣も元気がない中、平日にもかかわらず館内は満員でした。大阪のファンに申し訳ないと思う中で、平幕の2人がそんな空気を救ってくれました。
応援のタオルでピンク一色に染まる館内の声援は100パーセント、宇良を後押しして新大関も圧倒しました。3大関を破り本当にいい仕事をしています。琴ノ若に対し今日は立ち合いから突っ込んで行くぞ、という気持ちが一発目の当たりで感じ取れました。宇良は、まわしを取らない相撲だけど、突っ張ったり張ったりもしない完全な押し相撲ではありません。そんな相手を幻惑する宇良が真っ向から突っ込んできたのに、なぜ琴ノ若は受けてしまったのかは疑問で、横綱や大関は当たってからでも瞬時に判断しなければいけません。そこは、まだ琴ノ若に勉強の余地はありますが、今場所の宇良の好調さを象徴する一番になりました。
結びの一番は、照ノ富士に先場所からの疲れが残り体調は良くないことを差し引いても、王鵬の「絶対に引かない、前に出る」という気持ちが全面に表れた金星でした。差されないようにおっつけて突き放し、大きな体を小さく丸め、内から力を爆発させた会心の相撲でした。中途半端に差したり大きな相撲を取ってしまいがちな王鵬ですが、この一番が力士人生のターニングポイントになるかもしれません。(日刊スポーツ評論家)