<大相撲名古屋場所>◇14日目◇27日◇ドルフィンズアリーナ
前日13日目に8敗目を喫し、大関から陥落することが決まった貴景勝(27=常盤山)が、14日目以降も出場することを決めた。この日の朝稽古は、基礎運動や筋力トレーニングなどで約1時間、汗を流し、残り2日間に向けての準備を進めた。その後、引き揚げる際に「今日は今日なので」とだけ話した。大関からの陥落が決まっても、この日の大関琴桜戦に向けて、白星に向けた意欲に変わりがないことを示した。
師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は、前夜に貴景勝と話し合ったことを明かし「本人から『今場所は最後まで取らせてください』と言ってきたので『分かった』と伝えた。休場したら、お客さんがガッカリするから」と、やりとりを説明した。
次の秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)で10勝以上すれば、特例で大関に復帰する。同親方は「来場所も取る方向で考えていると思う。私からは『10番勝ったら復帰するんだから』と言った」と話した。来場所も現役を続行するという、明確な答えは返ってこなかったものの、話し合った感触として、現役引退に心が傾いている様子はないと感じたという。
埼玉栄高の先輩で、貴景勝が尊敬する武隈親方(元大関豪栄道)が、大関から陥落が決まった場所の千秋楽まで取り切った後、特例での復帰を目指すことなく現役を引退した。その流れを踏襲する可能性が消滅したわけではなく、師匠は話し合った際の様子として「いつも表情は変わらない。ポーカーフェースみたいなところはある」と、推し量ることはできていないことを認めた。ただ「だんだん相撲内容も良くなっている」と、復調気配を感じているだけに、このまま引退させたくない、大関に復帰、さらには復活できると信じている親心をのぞかせた。
9度目のかど番で今場所に臨んだ貴景勝は、勝ち越しに後がない13日目、横綱照ノ富士にはたき込みで敗れた。取組後は「負けは負け。自分にダメなところがあるから負ける。強いやつは大関にいる、もしくは上(横綱)に行く。弱い者は落ちるべきだと思う」と、言い訳せず、厳しく自分を責めていた。今後については「まだ場所中なので先のことは」と、14日目以降の出場を含めて明言を避けていた。【高田文太】