大相撲の東京場所前恒例の横綱審議委員会(横審)による稽古総見が29日、東京・両国国技館で行われた。
日本相撲協会の八角理事長(61=元横綱北勝海)が、稽古全体を総括。幕内力士による稽古の締めに琴桜(26=佐渡ケ嶽)と豊昇龍(25=立浪)の両大関による三番稽古が行われ、「やっぱり2人がね、ここで(この日の)一番上の番付なんだから。本場所も引っ張っていくぐらいの気持ちでいってほしい」と発破をかけた。
14番続けて取って9勝5敗だった琴桜については「もうちょっと迫力があってもいい」と注文。「体を生かして前に出て勝つことが、安定感につながる。チケットが完売してるわけだから、それくらいの気持ちで(やってほしい)。期待されてるわけですから」と、けん引する姿勢を求めた。一方、16番で9勝7敗の豊昇龍は「足も悪いんだろうけど、前に出ていく意識があったと思う」と及第点。「場所だと、どうしても投げにいっちゃうからね。投げにいったんじゃ、上に上がれないと思ってる。やっぱり足の悪い時こそ、前に出て勝つ相撲を心がけるんじゃないかな」と、さらなる精進を期待した。
今場所で初土俵から9場所目を迎える関脇大の里(24=二所ノ関)については「まだまだ稽古量が足りない。ぶつかり稽古でもまだまだ新弟子って感じがする」と辛口評価。「勢いで上がってきたので、これからはじっくり腰を据えて力をつけていけばいいと思う」と説いた。
印象に残った力士を問われると、幕内優勝経験者で、東前頭7枚目の若隆景(29=荒汐)の名を挙げた。「復調はまだ」としながらも「やっぱり力強い」とうなずいた。課題はスタミナ面。「15日間通して力出せるかっといったら、体がないだけに(厳しい)。今の倍はやらないかん」と指摘した。また、小結の平戸海(24=境川)については「力を付けて堂々としてきた」と高く評価。動きの良さを賞し「体とか馬力で勝てないなら、動きで勝たないとね。自分の特徴を生かしてくれればいいと思う」と、新三役で10勝を挙げた先場所に続く活躍に期待を寄せていた。
先場所で10度目の優勝を果たした横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)は、糖尿病と古傷の膝の痛みを訴え不参加。10勝以上で特例での大関復帰を目指す関脇貴景勝(28=常盤山)は、首痛の影響で参加しなかった。