<大相撲初場所>◇12日目◇23日◇東京・両国国技館
西前頭筆頭の霧島(28=音羽山)が初日から3連敗のあと9連勝とし、混戦の優勝争いで有力候補に浮上してきた。2敗だった王鵬を送り投げで、土俵下まで吹っ飛ばした。単独トップの金峰山が敗れて2敗となり、3敗の霧島、大関豊昇龍ら4人が追う展開となった。昭和以降、過去に2連敗発進から優勝した力士すら存在しない中で、3連敗スタートの霧島が優勝すれば、初の大逆転劇となる。
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大関経験がある実力者がさらに勢いづいてきた。霧島が好調の王鵬に快勝。突きといなしで流れをつかみ、相手の背後を取って送り投げ。「あわてず、自分の相撲をしっかり取れた」。3連敗から9連勝のV字回復。単独トップの金峰山とは1差に縮まり、自身3度目の優勝も視界に入った。
右手首痛で冬巡業は休場。本格的な稽古を始めたのは年明け4日からだった。「不安はあった」。いきなり3連敗を喫したが「内容は悪くなかった」。前向きにとらえて、4日目に大関琴桜から挙げた白星を機に連勝モードに突入。昭和以降、2連敗発進で優勝した力士はいない中で、初日から3連敗の霧島が賜杯を抱けば、初の快挙となる。
大のボクシングファンとしても知られ、大橋ジムの大橋秀行会長と交流がある。同ジム所属の4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥の世界戦をこれまで何度も現地で観戦した。24日の金芸俊との一戦については「(井上が)絶対勝つでしょう」と断言。試合展開については「第1、2ラウンド(R)は様子見かな。第3Rあたりから相手の動きに慣れて、第4Rか第5RのどちらかでKO」とすらすら口にして、中盤KOを予想した。
自身の優勝プランについては「まだ3日間ある。その3番に集中していくだけ」。青写真は口にしなかったものの「勝ちにいくのではなく、勝負にいく気持ちでやっていく」と力を込めた。前例のない逆転Vへ。シナリオは、着々と描かれつつある。【奥岡幹浩】