<大相撲春場所>◇14日目◇22日◇エディオンアリーナ大阪
大関大の里(24=二所ノ関)が、再び優勝争いのトップに並んで、千秋楽を迎えることになった。優勝の可能性があった関脇大栄翔を圧倒して押し出し。単独トップだった東前頭4枚目の高安(35=田子ノ浦)が敗れたため、11勝3敗で並んだ。自力での3度目優勝の可能性が復活。優勝すれば、最速で来場所後の横綱昇進の可能性がある。1差の4敗は美ノ海、安青錦、時疾風と全て平幕の3人。いずれも直接対決はなく、最大5人による優勝決定戦の可能性もあるが、その前に決着をつけるつもりだ。
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横綱の資格十分と言わしめる内容と結果だった。大の里は右かち上げの立ち合いで、大栄翔の上体を起こし、下から攻めさせなかった。相手の土俵ともいえる突き、押しにも真っ向から応酬。距離を詰めてからパワー全開の押しで吹っ飛ばし、よろめかせて押し出した。前日13日目は、関脇王鵬の突き、押しに引いて呼び込む悪癖で敗れた。だが同じ過ちを繰り返さず、今場所は連敗なし。「昨日負けた分、スッキリした。また切り替えて頑張る」。エンジン再点火を宣言した。
高安が敗れ、再びトップに再び並んだ。それでも優勝については「もう、ないものと思っている。最後一丁、12番にするか11番にするかは自分次第」と無欲を強調。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)には常々「3敗は優勝の星ではない」と言われてきた。年6場所合計で10敗前後だった横綱白鵬(現宮城野親方)らと競い合ってきた師匠の時代は、3敗は優勝争いから脱落を意味。その教えから、12勝で初優勝した時と同様、3敗したことで「優勝」の2文字を封印した。
二所ノ関親方は「もちろん優勝も大事だけど、右肩上がりで成長して、安定した成績を残すことが大事」と、前日13日目に語っていた。二所ノ関親方の師匠の元隆の里、さらにその師匠の初代若乃花-。3代続く“横綱の教え”を伝えていることが、何よりの期待の表れ。その後継者となるべく、今場所で3敗を守って優勝すれば、来場所は綱とりとなることが必至。「来場所に向けて、しっかり成績を残していく」。無欲のまま優勝を重ね、番付の頂点へと駆け上がる未来が見えてきた。【高田文太】