伯桜鵬が6連勝「楽しいはあまりない」けど…照ノ富士親方も宮城野親方も認める実力者がV争いへ

宇良(右)を寄り切りで破る伯桜鵬(撮影・江口和貴)

<大相撲夏場所>◇6日目◇16日◇東京・両国国技館

東前頭7枚目の伯桜鵬(21=伊勢ケ浜)が、同5枚目の宇良(32=木瀬)を寄り切り、初日から6連勝とした。これで、負けなしは大関大の里(24=二所ノ関)と2人だけになった。

成長ぶりは、親方衆も認めるところだ。

この日午前、「親方トークイベント」に出演した照ノ富士親方(元横綱)は、伯桜鵬について「教えたことをすぐにできる。器用で運動神経がいい」と評価。イベント後の囲み取材では、次のように話した。

-伯桜鵬は照ノ富士親方から「もっと攻めを速くしろ」と言われていると言っていたが

照ノ富士親方「(転籍で伊勢ケ浜部屋に)来た時からずっと、頭をつけるというより、抱え込んでいってとか、張り差しやら何やらという相撲を取っていた。いろんなことを考えて相撲を取るという意識があった。(だけど)まずは土台をつくらないといけないと思って。小細工で勝っても次につながっていかない。上を目指すというなら、体の鍛え方、考え方をもう1回、見直して鍛えていくべきなんじゃないか」

-今は鍛え直して、そういったことができてきている

照ノ富士親方「そうですね。立ち合いの馬力もついてきているし、できるだけ頭をつけて相撲を取っている」

-攻めることで守りもできていると本人は言っていたが

照ノ富士親方「それは、そんなに高くはないかも。体に合わせて相撲を取るしかないので」

-本人は「年内に三役」を目標に掲げているが

照ノ富士親方「頑張り次第で、あるんじゃないですか」

-できるようになったことは

照ノ富士親方「立ち合いから圧力をかけることができるようになった。もともと足腰強いし、その間に、圧力をかけられるようになった。体幹もできてきているし。徐々に」

-まだ中盤戦に入ったところだが、優勝の可能性は

照ノ富士親方「占い師じゃないし、知らない(笑い)」

それから約5時間半後-。

伯桜鵬は宇良に勝った。左四つから、宇良がひねり気味に引いたタイミングを逃さない。土俵際の逆転に気をつけながら、渡し込み気味に寄り切った。

「土俵際の(相手の)柔らかさが頭に入っていたので、丁寧にできて良かったと思います」

昨年4月、暴力問題がきっかけとなり、宮城野部屋は伊勢ケ浜部屋預かりとなった。転籍を機に、伯桜鵬は自分の相撲を作り直した。「すべてでパワーアップしています。まだまだですけど、去年より強くなっている。いい稽古ができています」と自認する。

関取が7人もいる環境は、稽古相手に不足しない。1日10番程度だった稽古は、30番に増えた。部屋付きの照ノ富士親方(元横綱)から「体の中の力が足りない」という苦言を受け入れ、「番数を増やして、1番1番手を抜かずに。しんどいけど、やっていけば相撲力、体の軸の力が付く」と実感できるほどになった。

2年前の名古屋場所で新入幕を果たし、11勝を挙げて優勝争いに加わった。その後、左肩の手術を受け、2場所連続全休後に幕下から出直し。少しずつ番付を回復し、今年1月の初場所で再入幕、3月の春場所で9勝を挙げ、今場所の東前頭7枚目は自己最高位でもある。

入門時の師匠でもある宮城野親方(元横綱白鵬)は、この日の取組を見た後に言った。

「(宇良は)自分より小さいから、差せばいける。密着して、じわじわと圧力をかけていく。そういうところ、先を読んでいる」

1年間の成長も認めている。

「春巡業に出て、成長して帰ってきました。1月から良くなって、3月も良くなった。今、自分の形を一生懸命見つけようとしています。朝稽古からそれを感じます」

新入幕の時よりも周囲に研究されているが、ここまでの成績は当時を上回る。

伯桜鵬は「新入幕の時は、若々しく向かっていくので楽しくて疲れなかった。今は楽しいというのはあまりない。集中力が増している分、今の方が体の疲れがある」と言った。

綱とりの大の里が注目される夏場所で、伯桜鵬の存在感が大きくなってきた。【高田文太、佐々木一郎】

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