朝乃山が3連勝で勝ち越しも「うれしいとかの感情はない」来場所後の十両再昇進へ残り全勝目指す

朝乃山(左)は鳴滝を突き出しで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇10日目◇20日◇東京・両国国技館

大関経験者で西幕下14枚目の朝乃山(31=高砂)が、3連勝で4勝1敗とし、勝ち越しを決めた。

西幕下13枚目の鳴滝(26=伊勢ノ海)を突き出し。立ち合いで相手にわずかに左に動かれ、朝乃山は左上手が遠かった。そんな相手の動きも「見えた」と、冷静に対応。左上手をうかがいつつも、まわしにこだわらず、突ききった。「相手を見て、自分の攻めができたと思う。勝ち越して、うれしいとかの感情はない。白星を積み重ねて、いかに番付を上げられるかが勝負」と、残り2番を見据えた。

昨年5月の夏場所を右膝痛で全休し、続く7月の名古屋場所4日目に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負った。合わせて5場所連続休場の長期離脱から、3月の春場所で、三段目から再起して全勝優勝した。今場所は、7戦全勝なら来場所は十両に昇進できる、幕下15枚目以内に番付を上げたが、二番相撲で東誠竜に不覚を取った。ただ「落ち込んでいてもダメ。負けても切り替えができないと、十両、幕内に戻った時に対応できない」と、一喜一憂せず、白星を重ねてきた。

ただ、大関経験のある実力者だけに、先場所の三段目以上に「みんな『1発食ってやる』という感じでくる。こっちも番付は一緒なので、変なことは考えずに臨んでいる」と、慢心がないのはもちろん、隙を見せず、一段と気を引き締めて土俵に立っている。

今場所はずっと十両土俵前の取組が続いていたが、この日は土俵入り後の取組だった。一段と観衆が多くなった中での一番も、緊張感はなかった。むしろ「声援は力になるし、ありがたい」と、背中を押してもらっていると感謝。残り2番も勝って6勝1敗とすれば、来場所は幕下5枚目以内に番付を上げるのは濃厚。幕下5枚目以内なら、十両下位や幕下上位の他の力士の成績次第で、勝ち越せば十両昇進の可能性が出てくる。気の抜けない戦いが続く。【高田文太】

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