若隆景、三役で23年初場所以来の勝ち越し 出稽古で鍛えた新鋭を初顔合わせで下し2敗堅守

懸賞金を手にする若隆景(撮影・野上伸悟)

<大相撲夏場所>◇10日目◇20日◇東京・両国国技館

小結若隆景(30=荒汐)が東前頭9枚目安青錦(21=安治川)を下し、勝ち越した。三役での勝ち越しは23年初場所以来。昨年6月に出稽古に行って鍛えた新鋭を初顔合わせで下し、2敗で並んだ。11日目は、無敗で独走する大関大の里と対戦する。大関昇進への足固めをしたい若隆景にとっても、重要な対戦になる。

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若隆景は、壁になるべくして壁になった。低い体勢からの攻めを得意とする者同士。若隆景は押し合いから右を差し、右に回り込んで肩透かし。「自分も下から、そういう相撲なのでそれだけを意識しました」。表情を変えずに言った。

縁ができたのは、昨年6月下旬。3日連続で、安治川部屋に出稽古に行った。所属する荒汐部屋は名古屋入りしており、治療で東京に残った若隆景が、安治川親方(元関脇安美錦)に連絡を入れて出向いた。

右膝の手術を受け、3場所連続全休後に幕下から復帰し、十両優勝を果たしたころだった。まだ幕下だった安青錦に胸を出した。感激した安治川親方は当時「すべてが教科書。若隆景の動きをずっと見ていたかった。若い衆にとって、これ以上ない勉強になった」と話していた。

4月の春巡業は、安青錦が明け荷を隣に置いて学ぶ姿勢を示してきた。若隆景は「たまにぶつかり(稽古)で胸を出したり」しながら応じてきた。「憧れの存在」と安青錦が公言していても「気持ちの面は変わらない。対戦する番付に上がってきましたし、自分も負けないという意識でした」と勝負に徹した。

三役での勝ち越しは、14場所ぶり。取組直後、NHKのインタビューでこのことを振られたが「特に、まだ明日からもあるんで、そっちに集中していきたいと思います」と言った。過去2勝2敗の大の里戦。得意の左おっつけは、綱とり大関の右を封じる威力を秘めている。【佐々木一郎】

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