<大相撲夏場所>◇14日目◇24日◇東京・両国国技館
大関大の里(24=二所ノ関)が、自身初の全勝優勝に王手をかけた。前日13日目に、2場所連続4度目の優勝を決めて臨んだ関脇大栄翔戦を押し出し。自己最多を更新する14勝目を挙げた。日本出身力士が全勝優勝すれば、16年秋場所の大関豪栄道以来、9年ぶり。2場所連続で優勝した大関で、横綱昇進を見送られた前例はなく、全勝優勝を手みやげに28日、正式に昇進の吉報を待つつもりだ。
◇ ◇ ◇
自己最速となる13日目の優勝から一夜明けても、何も変わらなかった。大の里は立ち合いから厳しく攻めた。2桁白星を目指す大栄翔の激しい突きに、わずかに引いて体勢を立て直したが、再び前に出た。最後は前のめりに倒れ込みながら押し出し。優勝を決めたからといって、手ぬるい取り口など見せず14連勝。「土俵際はめちゃくちゃだったけど、攻め切れた」。取組後も変わらず、緊張感を漂わせた口調で振り返った。
前日は取組後に部屋に戻っても、優勝の余韻に浸ることなどは「特に。いつも通り」と、この日の一番にだけ備えた。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は、この日の取組前に「今日、明日が勝負だから」と話した。ふがいない取組なら「全部無駄になる。それぐらい大事な2番」と、横綱昇進が危ぶまれるぐらいの緊張感で臨むことを求めた。この日の朝も「ちょっとね」と大の里と話したことを認め、同様のことを伝えたことをほのめかした。
史上最多45度の優勝を誇る元横綱白鵬の宮城野親方も、16度の全勝優勝は特別だった。同親方は「優勝額を見た時に『優勝』と『全勝』で漢字が違う。全勝優勝って、うれしいもんですよ」と振り返った。その上で大の里については「ここで全勝したら直すところがない。今の調子なら全部優勝できるんじゃない」と、末恐ろしさを感じていた。
全勝優勝は、日本出身力士では豪栄道以来、綱とり場所での達成なら12年秋場所の日馬富士以来、13年ぶりとなる。千秋楽は来場所から東西の両横綱を張る豊昇龍戦。「集中し直して明日最後、頑張ります」。今後、一時代を築くと想定されるライバル戦へ一段と気合を入れた。【高田文太】