大の里、苦手名古屋新会場でビートルズ級「伝説」を…3連覇&10人目新横綱Vへ「自分を貫く」

会見する横綱大の里(撮影・森本幸一)

「令和の大横綱」への第1歩を踏み出す。大相撲で2場所連続優勝中の大の里(25=二所ノ関)が6月30日、愛知・安城市の部屋で会見し、新横綱&3場所連続優勝への意欲を示した。

日本相撲協会は名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)の新番付を発表。5月の夏場所後に昇進した大の里は初めて「横綱」として番付に載った。

師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)、その師匠の元横綱隆の里(故人)に続く、3代連続の新横綱優勝を、過去7人しか達成していない3連覇で飾るつもりだ。

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記録にも、ファンの記憶にも刻まれる新横綱場所が始まる。大の里は、6月7日に25歳になった若者らしい鮮やかな緑の装いで会見場に登場。それとは対照的に質問者の目を見て、落ち着いた口調で話す様子は、すでに風格を漂わせていた。名古屋場所で懸かる3場所連続優勝は過去7人が達成し、うち6人は優勝20度以上の「大横綱」。「15日間、目の前の一番を大切にやっていけば、おのずと結果は出る。新横綱優勝は、みんなやっているわけではないので頑張りたい」。3連覇に、史上10人目の新横綱優勝も添えるつもりだ。

昭和以降最速となる、初土俵から所要13場所など、記録ずくめの横綱昇進だった。その実力はもちろん、自然と注目を集める宿命なのかもしれない。名古屋場所は今年、60年間、本場所を開催したドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)から、IGアリーナに会場を移す。本場所会場が変更となるのは、85年初場所で、それまでの蔵前から現在の両国に移転した国技館以来で、実に40年ぶりだ(一時的な改修工事など除く)。

しかも新会場のこけら落としで、イベントは初開催だ。その節目を新横綱として迎えるだけに、大の里は「すごい偶然だなと思う。新会場で(優勝を)目指していきたい」と力説。日本武道館で初めてコンサートを行ったビートルズ同様、新横綱場所で、新会場で、3連覇達成となれば「伝説」として語り継がれる。

唯一の懸案事項は、名古屋場所での過去の成績だ。今年が3度目だが、過去2度は勝ち越したものの苦しんだ。幕下だった23年は七番相撲で勝ち越す4勝3敗。新関脇だった昨年は4日目までに3敗するなど、序盤から苦しみ9勝6敗だった。ただ、それも過去の話。大の里はこの日「良くない場所だったからこそ、成績が良くなれば、自分が強くなったと自覚できる場所になる」と、堂々と“三度目の正直”を誓った。

さらに新横綱優勝を達成すれば、もう1つ、記録に残らない記録も達成する。師匠の二所ノ関親方と、その師匠の先代鳴戸親方の元隆の里が、ともに新横綱優勝を達成。過去に9人、年6場所制となった58年以降では他に大鵬、貴乃花、照ノ富士しか達成していない偉業を、脈々と受け継ぐ唯一の系譜。それを止めるわけにはいかない思いも強いが「今まで通り、自分を貫いていきたい」。熱い思いを胸に秘め、暑い名古屋場所に挑む。【高田文太】

◆IGアリーナ 名古屋市北区の名城公園内で3月に完成した国内最大規模の新アリーナ。地上5階建て、1万7000人収容。名古屋場所でこけら落とし。バスケットボール名古屋Dの本拠地となり、12月にはフィギュアスケートグランプリファイナルを開催。26年愛知・名古屋アジア大会でも会場の1つになる。