元十両大成道の笹山喜悌さんがIGアリーナで「りきし~る」を販売中 忘れられない木瀬親方の歌

IGアリーナの物販エリアで働いている元十両大成道の笹山喜悌さん

<大相撲名古屋場所>◇10日目◇22日◇IGアリーナ

元十両大成道の笹山喜悌さん(32)が、大相撲の物販スタッフとして本場所に戻ってきた。現在、IGアリーナのサブアリーナ物販エリアで「りきし~る」を販売するスタッフとして、勤務している。

笹山さんは「引退したにもかかわらず、こういう機会を与えていただいてありがたいです。また相撲にこうやって携われるとは思っていませんでした。(所属していた)木瀬部屋の力士だけでなく、親方、呼び出し、行司、床山、世話人、カシラ(若者頭)、いろんな方がきてくれます」と感謝を口にした。

りきし~るは、幕内力士の顔入り番付表の「番付りきし~る」や、日ごとの取組が分かる「取組りきし~る」のほか、来場者がその場で撮影した顔写真を取り込んで作る「推し・りきし~る」などがある。すでに多くの協会員が物販エリアを訪れている。

2011年5月の技量審査場所で初土俵を踏んだ笹山さんは、大成道のしこ名で十両を2場所務め、昨年秋場所限りで引退(引退時のしこ名は大成龍)。宇良のほか、常幸龍、徳勝龍、明瀬山、臥牙丸、肥後ノ城の付け人も務めてきた。引退後は、宇良を支援してきた縁があった株式会社百点(大阪市)に入社。アパレルのほか、相撲グッズ販売や巡業の勧進元を務める同社で、会社員1年目をスタートさせている。

木瀬部屋では多くのことを学んだ。「大卒から中卒まで幅広く、人数も多いので稽古相手に不足しない。木瀬親方の指導も上手で、切磋琢磨(せっさたくま)できました。お客さまへの気遣い、体の手入れ、普段の生活での心配りなど学ぶことができました」。木瀬親方(元幕内肥後ノ海)とは忘れられないエピソードがある。年末年始に帰省が許可されたある年、師匠から電話がかかってきた。12月30日の誕生日のことだった。「電話越しに、親方がハッピーバースデーを歌ってくれました。20歳くらいの時だったと思います」。

今場所も師匠にはあいさつにいき「おお、頑張れよ」と言われたという。引退後、親方などで協会に残れる力士は、ごくわずか。どの師匠も、力士のその後を気にかけている。笹山さんは「元気な姿を見せられるだけで、いいのかなと思います」と言いつつ、裏方として本場所の盛り上げに一役買っている。【佐々木一郎】