<大相撲秋場所>◇5日目◇18日◇東京・両国国技館
幕内経験者の人気力士で、東幕下31枚目の炎鵬(30=伊勢ケ浜)が「楽しみにしていた一番」で、今場所初黒星を喫した。
甲山親方(元前頭大碇)の次男で、西幕下34枚目の碇潟との全勝対決は、何度も相手の懐に潜り込もうとしたが、そのたびに突き放され、終始距離を取られたまま。距離が離れて一瞬、間ができた直後、炎鵬が意を決したように一段と低く飛び込もうとしたところ、その動きを見透かされたように、はたき込まれ、前のめりに落ちた。勝てば3場所ぶりの勝ち越し王手だったが、2勝1敗となった。
取組後は「相手の方が強かった。自分からいき(攻め)たかったけど。相手の動きがよかった。楽しみにしていた一番だったので、負けたことは悔しい」と、率直な思いを口にした。
相手は所属する伊勢ノ海部屋で部屋付き親方を務める父、前頭藤ノ川を兄に持ち、入門当初から注目されていた。何よりも、167・2センチの自身よりは大きいが、174センチと、同じく小兵に分類される。その中でも、技巧派の自身とは少しタイプが違う、力強い突き、押しを武器とする力士。それだけに「(大相撲に)入ってきたころから、気になって見ていた。『やったらどうなるかな』と思っていた。今日は負けたけど、また稽古して、勝てるように頑張りたい」と、敗れた悔しさと同様に、充実感を漂わせた表情で語った。この日の初顔合わせを経て、今度は雪辱の思いを強めていた。
敗れたが「1番いい状態で土俵に立つことができた」と、言い訳しなかった。「また次も、しっかりと準備して土俵に上がりたい」。まずは勝ち越して、十両復帰に向けて、番付を上げていくという初心に立ち返っていた。