「昭和の大横綱」優勝32度を誇る故大鵬さんが創設し「大鵬道場」の看板が今も掲げられる、東京・江東区の部屋で6日、大嶽部屋が新体制となって最初の稽古を行った。9月29日付で年寄「熊ケ谷」から名跡交換し、部屋を継承した元前頭玉飛鳥の大嶽親方(42)が、約4年ぶりに白の稽古まわしを着け、自らも基礎運動に汗を流しながら前頭王鵬らを見守った。入院中でこの日は不在の三段目虎徹を含めて力士は9人。大嶽親方は「楽しみ。ワクワクする」と笑顔で話した。
名跡交換した先代師匠の熊ケ谷親方(元十両大竜)の定年に伴い、新師匠が片男波部屋から転籍した。秋場所も各力士に助言しており、王鵬は「すごく見てくれていると感じた。調子は悪くないのに連敗した時に『王鵬の形じゃない』と言われ、自分じゃ分からなかったので納得できた」と、10勝5敗の好成績のきっかけを得たことに感謝した。
大鵬さんが1971年に創設した大鵬部屋の流れをくむ部屋で、新師匠は“単身赴任”の生活を始めた。近所に住む夫人と3人の息子とは別居生活も「全然反対はなかった。むしろ(背中を)押してくれた」という。前週には大鵬さんの墓参りに行き、決意表明もした。「力士の強くなりたい気持ちに応えたい」。大鵬さんが記した「夢」の書が飾られた稽古場で新たな歴史が始まる。【高田文太】