大の里が稽古で琴桜に12勝3敗 ロンドン帰りで師匠驚く 貴乃花以来29年ぶり快挙予感

テッポウを繰り返す大の里(撮影・岩下翔太)

大相撲の横綱大の里(25=二所ノ関)が、日本出身では1996年の元横綱貴乃花以来、29年ぶりとなる、年間4度の優勝の快挙を予感させる、好仕上がりを披露した。九州場所(9日初日、福岡国際センター)に向けて2日、福岡市の佐渡ケ嶽部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。大関琴桜と連続15番取り、12勝3敗だった。琴桜は右膝を痛めて先場所終盤に休場し、調整が遅れていることを加味しても、右差し、左おっつけ、さらには左を巻き替えてのもろ差しなど、相手を上回る技術を駆使して大きく勝ち越した。

10月はロンドン公演もあり、各力士ともに調整の難しさに直面した。大の里も10月21日に帰国後も、故郷石川県でのイベント出演、九州への移動などが重なり、場所前に部屋を離れて稽古するのは初。それでも「急ピッチでやったつもりでしたけど、下半身は悪くはなかったかなと。まだ良くなると思う。スタミナが少し切れていた部分もあった。15日間、長いので、しっかり準備してやっていきたい。課題の地方場所。去年は9勝6敗と、良くない成績だった。今回はロンドン巡業があったりとか、調整方法も例年と違う形だった。まだ、どうなるか自分でも分からないけど、もう1週間あるので、しっかり準備してやっていきたい」と、課題を挙げつつ、一定の手応えも口にした。

これまで5度の優勝のうち、4度が東京場所で、残り1度は大阪の春場所だ。九州場所では、まだ優勝がない。その点については「1年最後。番付発表の時にも言った通り、年4回の優勝を目指して頑張っていきたい」と、最高の結果を残して、今年最後の本場所を締めたい思いを隠さなかった。

稽古を見守った師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)も、上々の仕上がりと評価した。「基礎はしっかりとやっていたので、形はできていると思う。あとは、もうちょっと精度を上げてくれば、いい初日を迎えられるんじゃないですかね。なんか知らないけど(ロンドンから)体が張って帰ってきたから(笑い)。調子は良さそうだなと。先場所よりも、体は張っているように感じます」。初体験の海外公演の最中も、現地で体づくりを怠っていなかったと推測。「ロンドンは過酷だったと思うけど、その中でも、うまくやっていたんじゃないですか。あっちで体を動かしていたと思う」と、横綱としての意識も高くなっていることを、喜んでいる様子をにじませた。

今後の詳細は未定ながら、これまでと同様に出稽古を挟んで仕上げていく計画だ。「また明日から、もう1度ギアを上げて、調整していかんとダメかなと思いました。今まで通りの自分のスタイルを崩すことなく、右使って、左使って、攻撃的な相撲を取っていきたいと思います」。さらに状態を上向きにして、付け入る隙のない強さを身に着け、今年4度目の優勝を、念願久しい全勝で飾るつもりだ。【高田文太】