大相撲の大関経験者で、西十両4枚目の朝乃山(31=高砂)が4日、福岡市の部屋に出稽古に来た横綱豊昇龍(26=立浪)と三番稽古を行い、連続10番で2勝8敗と大きく負け越した。
本場所では5戦全敗と、もともと合口の悪い相手とはいえ、相手の鋭い踏み込みから、一気に寄り切られたり、本場所でことごとく食らっている右からの投げを、やはり組み止められなかったりと、文字通り相手の土俵で持ち味を発揮できない相撲が目立った。
ただ勝った2番は、ともに右を差しての正攻法で寄り切った。特に三番稽古開始から3番目に取った相撲は、立ち合いから一気に寄り切る完勝。豊昇龍も思わず「あ~っ…」と声を漏らし、天を仰いでいた。稽古後は「指名していただいて、うれしかった。横綱とやる時は、勝ち負けにこだわらず、自分の力を出し切って取りたいと思っていた。その中で、2番勝った攻めはよかった。あれを本場所でも出せるようにしたい。横綱と肌を合わせられたことはプラス」と、収穫の大きさを口にした。
2人が本場所で初顔合わせした21年夏場所は、朝乃山が大関で、豊昇龍が幕内5場所目の東前頭5枚目だった。稽古後、朝白龍も交えて3人で談笑していた際、豊昇龍に「自分が初めて勝った大関が朝乃山さん」と伝えられると同時に「早く上に上がってきてくださいよ。対戦して楽しい相手って、なかなかいないから」とも言われた。これを受けて朝乃山も「僕も、もう1度上で取りたい気持ちはある。もう1人の横綱もいて、顔ぶれも変わってきているので」と、自身が大関だったころから、大きく変わった上位陣と、毎場所のように対戦したい気持ちが強くなった。
豊昇龍に対する印象も「投げが強いし、腰が重たい」というのは変わらないが「デカいですね。体が大きくなっている」と、番付の頂点に上り詰めた根拠を確認し、近づきたい思いも強まった。謹慎休場と大けがで、2度の三段目転落から、今場所は3度目の幕内返り咲きを狙う場所。「11番以上は勝たないと」と、来年1月の初場所を幕内で迎えたい思いも強い。
この日は前頭千代翔馬も出稽古に来ており、豊昇龍との三番稽古の前には、その千代翔馬、同部屋の前頭朝紅龍、十両朝白龍&朝翠龍と申し合いを行い、そこでは計7番で4勝3敗。三番稽古と合わせて、この日は6勝11敗だった。ただ「番数も取れているし、いいんじゃないですか。他の部屋の力士とやるのは、今日が初めて。みんな強くなっているので、部屋で充実した稽古ができている」と、調整は順調だという。
今月2日は、入門時の師匠で、元大関朝潮の先代高砂親方が亡くなって2年となる命日だった。そのことについては「早いですね…。いろんな思い出がありますね。先代に教えてもらったことを、頭と胸に刻んで、これからやっていきたいです。今の師匠は、僕が入門した時に、高砂部屋の関取の歴史をつないでくださった方。2人の親方の教えを守って、高砂部屋を活気づけていきたい」と、しみじみと語っていた。