八角理事長もファン公言!20歳小兵・藤ノ川が4連勝「長い相撲は嫌」先々代“牛若丸”ほうふつ

寄り切りで獅司(右)を破った藤ノ川(撮影・岩下翔太)

<大相撲九州場所>◇4日目◇12日◇福岡国際センター

東前頭12枚目の藤ノ川(20=伊勢ノ海)が、平幕でただ1人だけ4連勝とした。同11枚目の獅司を寄り切り。177センチ、120キロの小兵ながら、きっぷのいい相撲で場内を沸かせた。八角理事長(元横綱北勝海)は高く評価し、藤ノ川のファンになっていることを明かした。

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最年少関取の藤ノ川が、自身より16センチ大きく、49キロも重い獅司に真っ向から立ち向かった。右を深く差すと、そのまますくいながら止まらない。体をぶつけるように寄り切った。

「止まったらやばいと思って、無理やりすくったら(相手が)よろけた」。止まることなく、一気に勝負を決めた。「長い相撲は嫌なんで。体が小さいから不利になるので、(速攻を)心がけています」。小気味よい動きが気持ちいい。場内が沸くのも必然だった。

古き良き力士を想起させる。本場所中も宿舎に閉じこもらず、街に出る。前夜は「カワハギ食ったっす」。魚が好きで、福岡入りしてからはイカも堪能した。ロンドン公演中は、現地の食事が合わなかった。最もおいしかったのは「丸亀っす」と、まさかの日本のうどんチェーン店を口にした。その分、九州の食事を存分に楽しみ、本場所で暴れる日々だ。

八角理事長は「炎鵬は幕下に落ちてるけど、(小兵が)次から次へと出てくるのはありがたいよね。先々代をほうふつさせるいい相撲を取っている」と、牛若丸と呼ばれた2代前の藤ノ川を引き合いに出した。さらには「気持ちがいいわね。ロンドン公演でも、一生懸命トレーニングをやってた。一番やってたのは若松(親方)。立ち合いの必死さがあるから、横のいなしも効く。(注意するのは)ケガだけだね。ちょっと相撲が大きいから」と続けた。

賛辞は止まらない。

「気持ちがいいよ。ファンになる人も多い。ちなみに私はファンだよ。ロンドンで1回行ったけど、飲みっぷりもいい」と絶賛。土俵の上だけでなく、酒場での豪快さも気に入った。

小兵の全力相撲ゆえ、体は傷だらけ。場所前は目の周りに青あざを作って、体を仕上げてきた。「気持ちを切らさないように頑張ります」。理事長もとりこにする藤ノ川の相撲。今こそ、見逃せない。【佐々木一郎】

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