新関脇安青錦勝ち越し バックドロップ出そうな…技から技へ流れるような攻めで大の里を1差追走

安青錦(左)は平戸海で寄り倒し破る(撮影・宮崎幸一)

<大相撲九州場所>◇9日目◇17日◇福岡国際センター

新関脇の安青錦(21=安治川)が、4連勝で1敗を守り、勝ち越しを決めた。立ち合いは前頭平戸海の突っ張りに、下からあてがって対抗。突き放されても食い下がり、左上手を引くと体を密着させた。さらに振りほどこうと繰り出した、相手の小手投げを、切り返しで封じる流れるような攻め。まるでプロレス技の、バックドロップを繰り出さんばかりの体勢になった後、即座に小股すくいで相手のバランスを崩し、最後は寄り倒した。技から技へ。観衆を大いに沸かせた。

取組後は「下から攻めることができた。相手の体が柔らかいから崩せなかったけど、次の技をすぐに出せたのがよかった」と、無我夢中で取った一番を振り返った。9日目の勝ち越しは、関取としては十両、幕内ともに、昇進2場所目で果たして以来の自己最速タイとなった。早い勝ち越しについては「特にそこまで。(幕内)2場所目の方が気にしていた。まだ、ここからが長いので」と、横綱、大関戦を見据えた。

新三役の小結だった先場所で11勝を挙げ、大関昇進目安の「三役で3場所33勝」に向けて、今場所は足場固めの場所となる。初優勝を目指すのはもちろん、1勝でも多く白星がほしい状況。幕内5場所目、三役2場所目だが「慣れたかといったら、そうではない。でも、前よりも気持ちの整理ができるようになった」と、以前に比べれば、多少は落ち着いて土俵に立っているが、まだ日々、緊張感の中で戦っているという。

そして、幕下時代に、師匠の安治川親方(元関脇安美錦)に言われた言葉を明かした。「緊張するのが、お前の仕事だ」。緊張するのはみんな同じ-。安青錦は「そう言われてから、考え方が変わった」と、緊張を排除しようとするのではなく、受け入れるようになった。すると「気持ちよりも、体がだんだん慣れてきた感じ」と、この日のように自然と体が動いて、技を繰り出せるようになっていた。それも全て、稽古の賜物だ。

10日目は、年齢が2倍近く上の関取衆最年長、41歳の前頭玉鷲との割が組まれた。その後はまだ対戦していない横綱、大関戦が控える。難敵が続く残り6日間へ、自力優勝の可能性を残すのは、全勝の横綱大の里と2人だけ。初優勝を期待する空気感は、日増しにふくらんでいる。【高田文太】

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