炎鵬「突然体の動かし方が分からなくなった」歴史的カムバックの壮絶舞台裏「この3年間が財産」

笑顔を見せる炎鵬(2026年3月18日)

「歴史的カムバック」を果たした。炎鵬が史上初めて、幕内から序ノ口まで番付を下げた後に関取復帰した。春場所は東幕下4枚目で5勝2敗。十両下位で4人が大きく負け越しており“空き”は4枠。東幕下3枚目で4勝3敗だった貴健斗と4番目の枠を争ったとみられたが、勝ち取った。

脊髄損傷の大けがで、最後に関取として土俵に立ったのは23年夏場所。初日から9連敗して10日目から休場したが、壮絶な舞台裏を明かしたことがあった。

炎鵬 突然、体の動かし方が分からなくなってしまった。土俵に、なかなか上がることができず、あの少しの段差を上がるのに、ものすごく時間がかかった。風呂に入っても温度が分からない。どんな温度でも、熱湯のように感じていた。

湘南乃海に押し倒された同場所6日目は「触られてないのに倒れてしまった」という。当時の師匠で元横綱白鵬の宮城野親方に「あと1番(1勝)、頑張れ」と言われた。同場所は関取在籍29場所目。親方として残る資格を得る30場所は目前だった。1勝すれば来場所も十両に残っていた。だが、あと1勝が遠かった。

炎鵬 あの時、30場所に届かなくて、よかったと思う。この3年間が財産。

回り道した分、心身ともにたくましくなって炎鵬が帰ってくる。【高田文太】