伊勢ケ浜親方の処分は降格と減俸のみ 藤島親方「本人がすぐに報告し真摯に反省。一過性のもの」

報道陣の前で謝罪した元横綱照ノ富士の伊勢ケ浜親方(撮影・泉光太郎)

日本相撲協会は9日、都内で臨時理事会を開き、弟子に暴力を振るった元横綱照ノ富士の伊勢ケ浜親方(34)の処分を2階級降格と減俸に決めた。コンプライアンス委員会が調査し答申した案をもとに、理事会で処分を決定。過去の暴力事案では部屋閉鎖など厳しい処分が下った例もある中、協会は「妥当」と強調した。

◇    ◇    ◇

伊勢ケ浜親方の処分は降格と減俸にとどまった。過去に厳罰が下された例もある中「暴力の常習性の有無」「自発的な報告」の2点が軽減理由に挙げられた。

親方から弟子への暴行では、20年7月に中川親方(元幕内旭里)の例がある。弟子に日常的に暴力を振るい、中川部屋は閉鎖。2階級の降格処分で、所属力士らは他の部屋に移籍した。

直近では、24年2月に幕内北青鵬が弟弟子2人への暴力により引退。監督責任を問われた宮城野親方(元横綱白鵬)は同じく2階級降格、部屋は閉鎖。同4月に師弟ともに伊勢ケ浜部屋に転籍する処分を受けた。

伊勢ケ浜親方は一定の処分は受けたものの、師匠は交代せず継続する。広報部長を務める元大関武双山の藤島親方は「約1年間、長期的に暴力と暴言が複数回続き、本人の申告ではなかった」と中川部屋との違いを説明。宮城野部屋とも「暴力が発覚してから報告しなかった。見過ごして長期間にわたって続いた」と差異があった。今回は「どういう理由があっても暴力は絶対ダメ」としつつ「本人がすぐに報告し真摯(しんし)に反省した。一過性のものである」と分析した。

協会文書でも「(伯乃富士の行為を)いさめるという、相応の動機があった」と伊勢ケ浜親方を擁護。殴打2発も「悪質とまではいい難い」と評価した。藤島親方は「今までの事例と照らし合わせた。特に反対はなかった」と理事会の反応を説明。妥当な処分と強調した。【飯岡大暉】