元幕内の剣翔(34=追手風)が14日、東京・両国国技館で引退会見を行った。25年にも及んだ土俵人生の別れに「信じられないし、もうこの先、本気で相撲を取ることがないので寂しいです」と思いを吐露した。
3月の春場所は西十両12枚目で全敗。「来場所、幕下に落ちるということで、幕下で相撲取るか、きっぱりここで辞めるか考え、決めました」。古傷の膝が限界を迎え「だましだましやっていた。場所前もほとんど稽古できなくて、僕の中で『もう終わりかな』という気持ちはありました」と、振り返った。
幼稚園から切磋琢磨(せっさたくま)してきた1歳下の翔猿(33=追手風)が特別な存在だった。「翔猿が勝ったらうれしい反面、悔しかった。一番負けたくない相手でした」。直接引退を伝えてはいないが、発表時にLINEが届き「今までありがとう、支えてくれてありがとう」と、ねぎらいの言葉をもらった。
懐かしい思い出もある。15年九州場所、東幕下筆頭で出羽疾風に勝利。勝ち越し十両を決め翔猿が寄ってきた。「関取になったら給料が入るので、翔猿が『何食べに行くの?』『どこ飲みに行くの?』『連れてって連れてって』と言ってきたのを思い出しますね」と、感慨深そうに語った。
剣翔は日大出身で14年初場所初土俵。最高位は東前頭6枚目だった。【山田遼太郎】