鉄人玉鷲が今場所初白星で日馬富士越え単独8位幕内713勝 9連敗は「苦しかった…」

大相撲夏場所 10日目 朝白龍(左)を押し出しで破る玉鷲(撮影・河田真司)

<大相撲夏場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館

館内を包んだ温かい拍手が、角界の鉄人への思いを何より物語っていた。西前頭13枚目の玉鷲(41=片男波)が朝白龍(27=高砂)を押し出しで破り、今場所初白星。初日からの連敗を9で止めた。今場所は節目の幕内在位100場所目。この1勝で幕内通算白星は713勝となり、日馬富士を抜いて歴代単独8位に浮上。同7位の稀勢の里にもあと1勝と迫った。

立ち合いは頭から鋭く当たり、右のど輪で相手を起こして押し出した。この日も痛めている右ひざにテーピングを施しての出場だったが、勝利後に安堵(あんど)の表情はなかった。「ホッとはしてないですよね。完璧ではなかったから」と、言葉は厳しかった。

もっとも、この日まで言い訳を決して口にしなかったが、胸の内には苦しさもあった。「苦しかった…そうでもないと言ったらおかしい」と、一瞬笑みを見せつつ本音をのぞかせ「状態は分かってるし、何回もいい相撲があったから。それで勝てなかったから苦しかったですね」と振り返った。

これまでも幾度となく試練を乗り越えてきた。前頭3枚目だった23年秋場所には、初日から11連敗を喫したこともある。だが今回は「全然違う。相手との戦いでもあり、自分との戦いでもある」と、その重みを口にした。

だからこそ、勝利の瞬間に館内を埋めた歓声は大きかった。玉鷲はその声援に「いい仕事したな」と笑顔。ようやくつかんだ1勝が、歴戦の41歳に再び前を向く力を与えた。【山田遼太郎】

【動画】41歳玉鷲、10日目で今場所初白星 勝利の瞬間に温かい拍手と歓声

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