元幕下の龍勢旺が引退 22年間の力士人生に「もう戦わなくていいと思うと…」

大相撲夏場所13日目 現役最後の取組に臨む龍勢旺(撮影・小沢裕)=2026年5月22日

<大相撲夏場所>◇13日目◇22日◇東京両国国技館

東序二段24枚目の龍勢旺(40=芝田山)が、現役最後の相撲を取り終えた。西序二段29枚目の北勝伊と対戦し、土俵際で粘りに粘った。最後は寄り切られたが、力を出し切った。東の花道を引き揚げる際、後援者らから花束を受け取ると、目を潤ませた。

花道の奥では、同じ部屋の若肥前と行司の木村吉二郎が出迎えてくれた。「終わった」。22年以上に及んだ力士人生。「もう戦わなくていいと思うと、ホッとしました。いい時も悪い時もありましたが、感謝でいっぱいですよ」と言葉に実感を込めた。

18歳の時に元大関魁傑の放駒部屋に入門。2009年九州場所は、三段目の優勝決定戦に進んだ。当時、師匠と一緒に場所入りする車の中で「思い切っていけ。楽しんでいけ」と笑顔で送り出してもらったことが思い出に残るという。

最高位は東幕下40枚目。放駒親方の定年にともない、2012年2月に芝田山部屋へ転籍となった。その3年後、幕下に返り咲き、初めて幕下で勝ち越した。「師匠に『やればできるんだ』と言われたのがうれしかった。初めて(幕下で)勝ち越したのが印象的です」。

2月に40歳になり、父から就職を勧められたこともきっかけで、引退を決意した。今後は、地元の熊本県に戻り、父が務めていた車関係の会社でサラリーマンに転身する。同時に、日本大学通信教育部の経済学部4年生でもあり、卒業も目指していく。千秋楽パーティーで断髪し、次の人生に進んでいく。【佐々木一郎】