霧島が綱とりへ痛すぎる3敗目 取材も応じず「これから目標が」八角理事長、気持ち切り替え懸念

霧島(右)を押し倒しで破る美ノ海(撮影・中島郁夫)

<大相撲秋場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館

綱とりが、極めて厳しくなった。2場所連続で横綱昇進に挑む大関霧島(30=音羽山)が、西前頭3枚目の美ノ海(33=木瀬)に押し倒され、5勝3敗で中日を折り返した。ハイレベルの優勝が求められる中、黒星は全て平幕相手。攻め切れない相撲も続き、昇進を判断する上で内容にも厳しい目が向けられている。上位陣との対戦を残し、綱への道は険しくなった。

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館内からため息が漏れた。美ノ海との押し合いでいなされた霧島は体勢を崩し、最後は押し倒されて尻もちをついた。取組後は取材に応じず、支度部屋ではうつむいている時間もあった。

高安、義ノ富士に続き、黒星は全て平幕相手。上位陣との対戦を残して中日で3敗では、綱とりへあまりに苦しい。浅香山審判部長(元大関魁皇)は、ハイレベルの優勝が求められる点について「場所前から言っているとおりで変わらない」と強調した。昇進の可能性を否定する明言はなかったが、「負けた相手も見ないといけない。厳しく見られても仕方がない」。ここから白星を重ねても、既に喫した黒星の内容まで消えるわけではない。

稽古で見せた強さを、本場所で出せない。場所前の稽古では厳しく当たり、前へ出る相撲で順調に調整していた。それでも今場所は立ち合いから受けに回り、土俵際でしのぐ場面が目立つ。前日の豪ノ山戦も、とったりで白星を拾ったが、先に攻め込まれていた。

八角理事長(元横綱北勝海)は、この日の攻防に「途中、止まった時に踏み込んでいかないと」と指摘。さらに案じたのは、目標を見失うことだった。「これから目標が定まらなくなって、気合が入らなくなってしまうと大変だと思う。切り替えていけるかどうか」。綱とりや優勝への期待よりも、残る土俵に気持ちを向け直せるかを心配した。

横綱昇進への道が閉ざされたとは言い切れない。ただ、勝ち星だけでなく内容も問われる場所で、攻め切れない相撲を繰り返した。今場所後の昇進は極めて厳しい。まずは自ら前に出る相撲を取り戻さなければ、綱への望みもつながらない。【山田遼太郎】

【動画】霧島が尻もち…美ノ海に押し倒しで敗れて3敗目