大の里、大号泣「ただ、この景色だけを見たくて、なんとか頑張ってきた」けがに苦しんだ1年

幕内優勝を飾り八角理事長(右)から賜杯を受け取る大の里(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇27日◇東京・両国国技館

横綱大の里(26=二所ノ関)が相星決戦を制し、1年ぶり6度目の優勝を果たした。

3敗で並ぶ安青錦(22=安治川)との直接対決で完璧な相撲内容で突き出しで勝ち切り、秋場所3連覇を達成した。

花道で待つ間、君が代が流れると、若き横綱が両国国技館の天井を見やりながら、大号泣した。「去年けがして、どうなるかと思った。ただ、この景色だけを見たくて、なんとか頑張ってきた。今日こうやって優勝できてうれしいです」と、かみしめるように語った。

けがに苦しんだ1年だった。昨秋は、横綱となって初めての優勝。昨年11月九州場所から苦難が続いた。左肩を負傷し、23年夏場所の初土俵から初めての休場。今年は春場所で途中休場、夏場所は全休。けがが治りきらず、土俵に上がれない時期が続いた。

万全な状態には戻らず、7月の名古屋場所は9勝6敗。描いた結果ではなかったが、土俵に上がり続けた。8月の夏巡業では、ぶつかり稽古に参加。横綱が土俵で転がり、背中に土を付けながら体を鍛えた。場所前に、左肩の状態は「良くなってきている」と説明していた。

序盤は、引いてしまう悪癖を露呈。それでも、中盤以降は前に出る相撲が目立った。しかし13日目から、霧島、琴桜にまさかの連敗。前に出て、土俵際で投げられた。それでも「もう後が残らないような、弱気にならないような相撲を取ることだけを考えた」と千秋楽に、先場所敗れていた安青錦を撃破。6場所ぶりの優勝をつかみ取った。

これほど、賜杯から遠ざかったことはなかった。前回Vの昨秋時点では、新入幕から11場所で5度も頂点に立った。初優勝以降、V逸は2場所連続が最長。今回の5場所は自身“最長ブランク”だった。1年耐えた末に、得意の秋でまた頂点に立った。「また強い横綱を見せられるよう、しっかりと稽古に精進して頑張りたい」と再出発を誓った。

【動画】強かった!大の里が優勝 直接対決で安青錦を撃破