63代横綱のしこ名を継ぐ西幕下筆頭の旭富士(24=伊勢ケ浜)が、最速タイで関取になった。
日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で九州場所(11月8日初日・福岡国際センター)の番付編成会議を開き、新十両昇進を決めた。旭富士の初土俵から所要6場所は、板井、土佐豊、常幸龍、炎鵬に並ぶ最速記録(付け出しを除く)。都内の部屋で会見し、新十両優勝と、その先の横綱への思いを語った。東幕下4枚目の竜鳳(19=音羽山)も新十両昇進を決めた。
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昇進会見で、旭富士は一度も笑みを見せなかった。「うれしいです」と短く答え、最速タイの昇進にも「特には何も感じてないです」。6勝1敗だった秋場所の内容には「全然ダメ」とし、前に出る相撲を課題に挙げた。
一方、同席した師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)からは「よく勝ち抜いたんじゃないかな」と評価された。秋場所前の巡業中に肋骨(ろっこつ)を折り、十分に稽古できなかったという。それでも勝てた要因には、長く積んだ稽古の「貯金」を挙げられた。
高校卒業後、初土俵までの4年半を部屋での稽古に費やした。外国出身力士は1部屋1人の規定があり、照ノ富士が現役の間は初土俵を踏めなかった。その間に積んだ稽古が、6場所での昇進を支えた。「親方の指導と、周りの関係者の応援があって、相撲を取ることができた」と感謝した。
師匠が伝えたいことは、土俵での技術だけではなかった。「日本人以上に相撲のことを理解して、日本人以上に勉強して」。外国出身の力士として自らが心がけてきた姿勢。旭富士にもその姿勢を求め「皆さんに愛されるような力士になってほしい」と願う。
その話を受け、旭富士は「これからの行動と言葉に気をつけて、上を目指してやっていかないといけない」。照ノ富士を間近で見てきて「僕もそうなりたいなって、ずっと思っていました」とも明かした。
九州場所の目標は「優勝です」。その先には横綱を掲げる。63代横綱のしこ名を継ぐ24歳が、相撲も生き方も学びながら、その地位を目指す。【山田遼太郎】
◆旭富士英毅(あさひふじ・ひでき)本名・バトツェツェゲ・オチルサイハン。2002年5月17日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身。18年春に来日し、神奈川・旭丘高で相撲を始める。卒業後は伊勢ケ浜部屋で稽古を重ね、25年九州場所初土俵。先代師匠の元横綱旭富士からしこ名を継いだ。26年初場所から序ノ口、序二段、三段目、幕下と4場所連続優勝。秋場所は西幕下筆頭で6勝1敗で十両昇進を決めた。得意は両四つ、上手投げ。187センチ、152キロ。