【野球特集】睡眠と栄養バランスが予防の第1歩/熱中症対策〈上〉

講師を務めた佐藤さん

日本リトルシニア関東連盟は5月に指導者講習会を行った。テーマは「熱中症対策」で、講師にエイジェックスポーツマネジメントから管理栄養士の佐藤礼美さんを招いた。高校時代にバレーボールで全国優勝を経験、現在は独立リーグ・栃木ゴールデンブレーブスなどで栄養指導を行う佐藤さんの、ジュニアアスリートに向けたアドバイスを「予防」と「対応」の2回に分けてまとめた。

【リトルシニア関東連盟指導者講習会より】

熱中症は環境や体調、行動によって汗が蒸発せず、皮膚から逃げる熱が少ないため、体の中が熱くなり引き起こされる。特に成長期のジュニアアスリートは基礎体力をつけるための運動と、その土台となる睡眠、栄養のバランスが予防策の第1歩になる。普段の生活や家庭での準備で、熱中症になりにくい体を作るポイントをまとめた。

【8時間以上の睡眠】 適切な休養を維持する。

 【12~14歳が1日に必要エネルギー量は2300~2900㌔㌍】 成人の1日の必要量は約2700㌔㌍。基礎代謝量や成長分に加えスポーツをする分、多めに摂取する。

【必要な食事】 毎食=しっかりした量の主食、肉などたんぱく質や野菜などおかずを1、2品。1日1、2回=果物(100%ジュースも可)と乳製品。

【朝食は必ず】 エネルギー不足の状態で運動はしないように、毎朝しっかり食べる。みそ汁やスープで塩分を補給する。練習中の補食を、朝食がわりにしていないか? 

【補食】 成長期に加え、スポーツすると3食だけではエネルギーや栄養素は足りないため、練習の合間に食べる。夏は昼食を麺類だけで済ませがちだが、その場合は、小さいおにぎりを加えるなど、主食を減らさない工夫を。

【暑熱順化を維持】 5~6月ごろから熱中症が増えていくように、汗をかきにくい、熱を放散しにくい「暑熱順化」できていない状態は要注意。汗をかきやすい状態を続けるために、トレーニングは3日以上空けないように。

【多めの水分を用意】 水分は1日2㍑以上補給する。練習前、練習中、練習後、試合は1イニングに1回、寝る前、起床後、授業の合間など、水筒以外にペットボトルを持参するなど工夫を。内容は水か麦茶(運動中はスポーツドリンク可)がふさわしい。緑茶やコーヒー、紅茶は利尿作用があるため、脱水になる可能性がある。

【運動前後の体重を計測】 運動中に大量の汗をかき、体重が減少すると体力の低下を招く。体重の2%(60㌔なら1・2㌔)減少で運動パフォーマンスが低下し、それ以上脱水が進むとめまいや脱力感など重症化していくので、早めの対策が必要である。体重計測により、自分の体の状態を知り、食事の摂取量や水分補給量などの目安になる。

【構成・久我悟】