北原里英「悔いなく」4・14卒業へカウントダウン

AKB48劇場最終公演の終演後、ファンから贈られた花スタンドと記念撮影するNGT48北原里英(撮影・森本隆)

 NGT48北原里英(26)が1日、東京・AKB48劇場での最後の公演を、「AKB48第5期生公演」として行った。4月11日にNGT48の3rdシングル「春はどこから来るのか?」が発売されて、2日後の13日に朱鷺メッセで地元新潟で初の単独コンサートが、そして翌14日に同会場で北原の卒業コンサートを開催。北原卒業のカウントダウンが始まった。

 北原が、ひと足先に故郷のAKB48劇場にお別れした。10年前にデビューした記念日の3月1日に、気心の知れた仲間たちを集めた。同じ第5期生からは、HKT48指原莉乃、AKB48宮崎美穂、JKT48近野莉菜、卒業生の石田晴香、内田真由美、小原春香、中塚智実、仁藤萌乃。さらに、デビュー当初に同じ寮に住んでいた北原(愛知県出身)と同じ、地方出身メンバーの大家志津香と横山由依。加えて、NGT48の後輩の西潟茉莉奈、山口真帆、村雲楓香にゲスト出演させた。

 「10年前を思い出しながら、楽しみましょう」。デビュー当初の研究生公演「恋愛禁止条例」の楽曲を中心に、懐かしい歌を次々に披露していった。10年前のこの日にバックダンサーでデビューした曲「純情主義」は、同じバックダンサーで再現した。本編のラストは「桜の花びらたち」から、地方組でのチームK時代の締めの曲「引っ越しました」へ。親友の指原にも涙ぐまれる中、紙テープを客席に投げると、北原の瞳も自然と潤んでいった。AKB48からNGT48へ移籍した、自分のアイドル半生も重ねて歌っていた。

 最大の見せ場は、アンコール1曲目だった。前田敦子の卒業ソング「夢の河」で再登場。前田が東京ドームで卒業した時には、白い大きなゴンドラの船に乗っていたが、北原はまさかの段ボールの船に乗ってステージ中央へ。実は、かつて地方組の一員だった小森美果の13年の卒業時に、テレビ番組「AKB映像センター」で指原たちと自宅でパロディーを撮影していたことを再現したもの。アンコール直前に流した10年間を振り返るVTRの中に、その映像を前フリとして交ぜていたため、観客は大爆笑だった。

 着用した白のドレスも、昨年秋のAKB48選抜総選挙ランクインコンサートのソロコーナーで「夢の河」を披露した時に、前田の衣装を完全コピーして制作していたもの。こういうユーモアさを忘れないあたりを、指原に「やっぱり、りえちゃんだよね」と絶賛された。しんみりムードで終わらせなかった。

 最後のあいさつでは「これで秋葉原に立てなくなると考えるとさみしいです。ただ、この公演を見てほしいと思う後輩ができて、彼女たちを呼んでいたり、見に行きたいと言ってくれたスタッフさんがいっぱいいて、愛してもらってたんだと実感することができてうれしいです。悔いなく秋葉原を去れます」と笑った。

 最後は、やはり研究生公演の時のラストソング「なんてすてきな世界に生まれたのだろう」をチョイス。「これは、同期の中西優香がSKE48に移籍する、最後の研究生公演で歌った曲。『この歌が終わったら終わるんだな』と感じる思い入れの深い曲。やっぱり走馬灯ってやつになっちゃった…」。「終わってほしくない」という名残惜しさから、全メンバーが1人残らず泣いて歌った。「悔いはありません」。北原は、思い出の詰まった学びやに別れを告げて、残す朱鷺メッセとNGT48劇場に思いをはせていた。【瀬津真也】