舞台奮闘中の峯岸みなみAKBに「化学反応起こす」

稽古の合間に舞台への意気込みを語ったAKB48峯岸みなみ(2019年3月19日撮影)

AKB48峯岸みなみ(26)が、東京・明治座でミュージカル「ふたり阿国」(15日まで同所)に出演し、奮闘している。このほど、日刊スポーツの取材に応じて思いを語った。

峯岸にとって、本格的な舞台に出演するのは、2度目。北翔海莉(年齢非公表)演じる阿国に憧れて、芸道を志す少女・お丹役を演じている。

「出雲の阿国というエンターテインメントの先駆けの方に魅了されて、芸事の道を志して、ある出来事をきっかけに阿国をしのぎたいと成長していく女の子の役です。ポスターなどを見ると時代劇の雰囲気もありますけど、いろいろなジャンルの音楽も入ってくるので、時代劇慣れ、ミュージカル慣れしてない方もすんなり見られると思います」

昨秋から、能の動きなどを習得するためのレッスンを開始した。先輩俳優に囲まれながら、稽古を重ねてきた。

「第1幕は、自意識がないところから始まるんですけど、さまざまな出来事を踏まえた上で、第2幕で成長して現れるので、その違いを見てもらえればと思います。第1幕は出ずっぱりで、歌、能、舞踊あり、せりふ量も多いので、カロリー消費がすごいんです(苦笑い)。北翔さんという大きな存在に立ち向かっていかないといけないのは、私自身もお丹にとっても同じ。負けん気が強いところとか、根っからのスーパーマンでないところは、自分に似ているかもしれません」

本格的な初舞台は昨年1月の「三文オペラ」だった。2度目を迎えるにあたって、乗り越えたい壁があるという。

「前回は、共演者の方が、台本や稽古とは違う感じで来た時に、演出家に『もっと食らいついて演じても良かったのに』と言われることが多かったんです。今回、本番では絶対皆さん暴れると思うので…(笑い)。予定通りにいかない場面でも、お丹を演じられていれば対応できるはずなので、その部分を2回目だからこそ何とかしたいですし、自分だけでお芝居しないとことが舞台ならではだと思うので、楽しめればと思います。あとは、(小嶋)陽菜がもし見に来てくれた時に、(作品が)難しそうに思われているので、楽しんでくれたら本物だと思います!(笑い)」

AKB48の1期生では、唯一の現役メンバーだ。しかし、昨年末のNHK紅白歌合戦は、数年ぶりに自宅で鑑賞した。同学年で、仲が良いHKT48指原莉乃(26)の卒業シングル「ジワるDAYS」も、収録曲含めて参加できていない。

「紅白は、悲観せずに、新しいAKB48を見せる場所でもあると思うので、大いにそうした方が良いだろうという大人な自分もいる一方で、出たら楽しいことは知っているし、さっしーの最後でもあったので一緒に出たかったし、CDも今回は参加していないので、一緒に…という気持ちももちろんあります。でも今は、グループの中で自分をアピールするよりは、外からいい風を吹かせて、化学反応を起こすことが、自分にとってもAKBにいる意味になると思っています」

自分の置かれた立場を理解しつつ、酸いも甘いも経験してきたからこそ、「AKB48」の看板を背負う意味を知っている。

「AKBという名前があるからこそ、良ければこれからにつながると思いますし、逆であればチャンスを失うでしょう(グループ以外の仕事の)現場でも、まずはAKBとしての私として認識してもらうので、逆手にとれたら勝ちだと思ってます。何か大きいものをグループに持って帰れればと思ってます」

もともと舞台鑑賞が好きだった。

「芸能界で活躍されている方って、好きなことを仕事にされているじゃないですか? その人がいるだけで存在意義があるって芸能人だなって思うんです。自分も舞台を見るのが好きだったり、それを言葉にするのも好きなので、何か仕事になればと思います。あとは、芸能界で仲良くさせていただいているのはリリー・フランキーさんなので、一緒にラジオをやれたり、好きな人と好きなことができるくらい、自分をもっと上げていかないといけないと思います」

覚悟を決めて臨んだ舞台も、折り返しを迎えている。千秋楽まで走り抜ける。

「舞台俳優としてはど真ん中にいる存在ではないからこそ、私に出来ることは、畑違いの人を取り込むことだと思います。私にとっても、畑違いの人に知ってもらえるチャンスでもあります。今回は、せっかく自分ともかぶる役ですし、自分もこれまでは、山あり谷ありの人生でした。今までのつらかったことも、悔しかったことも全て乗せながら、お丹としてのゴールを迎えたいと思います」

【大友陽平】