説明できず…被害者の山口卒業で後味悪し/記者の目

101日ぶりの劇場公演に出演し手紙を読みながらグループ卒業を発表したNGT48山口真帆(C)AKS

<記者の目>

NGT48の現行体制チームでの千秋楽公演が21日、新潟・NGT48劇場で行われ、昨年12月に男2人から暴行被害を受けたとされる山口真帆(23)は、所属して副キャプテンを務めるチームGによる夜公演に出演した。山口は、今年1月10日に出演した3周年公演以来101日ぶりにステージで、グループからの卒業と運営側を批判する文面を読み上げた。

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今年1月の事件発覚から約4カ月が経過したが、実態解明は消化不良のまま、山口が卒業するという後味の悪い結果となった。両者の見解は最後まで平行線をたどった。

自ら告発した山口は、一貫してメンバーの事件への関与や、運営の不備を指摘し続けた。運営側は、警察の捜査や第三者委員会の調査結果をもとにしながら、両者の意見に耳を傾けながらバランスをとるのに苦心した。対応が遅れた上に、山口との意思疎通が十分にとれない状況が続き、ファンを含めた外部への明確な説明が出来なかった。

騒動に巻き込まれながら、芸能界に入って活躍を志して活動するメンバーや、その姿を応援するファンにとっては、楽しく応援する環境がどんどん狭まっている。昨年に10回の節目を迎えた総選挙も今年の開催は見送られた。広告契約の終了も散見される。世間からの風当たりも日増しに強まっており、運営側のさらなる丁寧な説明や、覚悟ある対応が求められる。曖昧な幕引きでは、世間の納得は得られない。【大友陽平】