AKB48向井地美音(28)が3日に卒業コンサートを迎える。2013年に15期生として加入し約13年。3代目総監督も務め、グループの最前線に立ったアイドル人生を振り返った。
誰にも負けないグループへの愛が原動力だった。ダンスや歌唱力など武器を持って加入するメンバーもいるが「加入した時から『AKB48が大好きです』って貫き通してきました。逆にそれしか強みは無かったんです」。18年には知識を生かして「AKB48グループセンター試験」で1位を獲得するなど、確固たる愛を証明し続けた。
一方、「純粋に大好きという気持ちだけではやっていけないと感じた時期もあります」と率直に明かした。19年4月から約5年の3代目総監督在任中には、恒例行事だった総選挙も消滅。コロナ禍もありグループのメディア露出が減少してしまった。「歴史をどんどん止めてしまったり、あの頃のAKB48に追いつけなくて自信をなくしたり。悩むことが本当に多かったです」。ライブのセットリストも「この曲は私が好きだから入れたのか、ファンの方が求めているから入れたのか、どっちなんだろう」と、本当の気持ちが分からなくなることもあった。
それでも「メンバーが大好きな気持ちは変わらず、皆が支えてくれて今のAKB48も大好きだなって。メンバーの存在はすごく大きかったです」。やはり、愛が力になった。
最後は1人のアイドルとして自身の好きを詰め込んだステージに立つ。「やりたい曲が最初は1曲しかでてこなくて」。長い総監督生活を経て自身の欲の出し方に戸惑いつつも、「セットリストを作ってみたらあふれてあふれて止まらなくて」と充実したものが完成。「最後だけはお言葉に甘えて、自分のオタク心も忘れずに」と笑った。
子役から芸歴を重ね、「“ザ・青春”みたいなものを味わった感覚がない」という。「13年の時間をAKB48で過ごして、やっと私は青春にサヨナラできる」と爽やかに言った。
自身の卒業ソング「向かい風」は別れの曲でありつつ「仲間がサブテーマになっているのかなと思っています」と話した。「自分の人生の中で仲間の存在は本当に欠かせないくらい大切なもの。そこをくみ取ってくださった秋元先生に感謝です」と口にした。
20周年の昨年は、度々グループのOGと共演。もし30周年の企画があるなら? という質問には「出たいです。呼んでもらえるかな…呼んでもらえるような立派なOGでいたいです」とかわいらしい笑顔を見せた。
重責を背負い、心を痛めることもあったが、かつて自身のソロコンサートで宣言した「グループの20周年まで私は頑張る」の約束も果たした。「わが青春に悔いなし、という言葉で終われたらいいな」。青春の最後の1ページを、思い残すことなく描ききる。
【寺本吏輝】
◆向井地美音(むかいち・みおん)1998年(平10)1月29日、埼玉県生まれ。愛称「みーおん」。子役時代にドラマ「アンフェア」シリーズなど出演。13年AKB48に15期生として加入。16年3月のシングル「翼はいらない」で初センター。18年12月、横山由依から3代目48グループ総監督に指名され、19年4月から24年3月まで務めた。150センチ。血液型O。