ニューヨークのストリップクラブで働く女性たちが、ウォール街の男たちから大金を巻き上げた実話を映画化した。なかなか稼げないデスティニー(コンスタンス・ウー)が、ラモーナ(ジェニファー・ロペス)と出会い、ダンスの基礎やストリッパーとしてのハウツーを学ぶ。

ロペスの姉貴っぷり、ダンス、立ち居振る舞いのかっこいいことといったら。序盤のポールダンスのシーンは、デスティニーが見とれたように、見とれた。もともとセクシーさとスポーティーさを併せ持っているロペスだが、作品に合わせてセクシーさにぐっと傾いていてうっとりする。

ロペスはプロデューサーも務めている。登場する女性たちは結果として、金を稼ぐために危ない方法を実行してしまうのだが、背景や複雑な事情、仲間との絆を丁寧に描いた。家族を守り、自立を目指す女性たちへのロペスのエールだと受け取った。主役2人の友情がまた切ない。

アジア人社会のセレブを描いてヒットした「クレイジー・リッチ」(18年)できまじめなヒロインを演じたウーが、イメージを一変させている。

【小林千穂】(このコラムの更新は毎週日曜日です)