学校と家に居場所を見いだせず、鬱屈(うっくつ)としていた女子高生が、同じような状況の同級生2人と同好会を結成。自分たちの夢をかなえ、地元を出て行こうと思いを1つに一獲千金を狙い、始めたのは大麻を栽培し、売りさばく“禁断の課外活動”だった。
ラッパーを夢見た女子高生が、地元のラッパーの家に行き、襲われかけて抵抗した末に大麻を手に入れたこと、種を学校の屋上で栽培したことなど、法に触れることをやってしまっている姿を描くが、物語の伝えたい部分は、そこではない。互いに理解し合えなかった中、幾つかのきっかけで距離を縮め、同好会「オール・グリーンズ」を作った3人の女子高生が心を通わせ、肩を寄せ合っていく姿を見ていると、胸の中に甘酸っぱく熱いものが込み上げてくる。何か1つの夢、目標に向かって疾走する人間が放つ、生き生きしたエネルギーがあふれている。
中心メンバーの同級生を演じた南沙良、出口夏希、吉田美月喜が同世代の俳優同士、刺激を受け合い、楽しんで演じ、役を生きている感情、熱量がスクリーン全体からにじむ。距離を取り合う微妙な空気、疾走する姿、共に歩み出した鼓動…ひと言で言ってしまえば「青春映画」なんだろうが、青春は若い世代だけのものだろうか? 見た、あらゆる世代に、きっと、そんなことを思わせてくれるに違いない。主人公らと同世代には共感、少し上の世代には忘れかけていたもの、ずっと上の世代にはいま一度、心のエンジンに火を付ける何かを、心の中に呼び起こしてくれるであろうエネルギーに満ちた1本だ。【村上幸将】
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