走って、走って、30日間逃げ切れば巨額の賞金を手にできるが、ハンターに捕まれば即死という命がけの鬼ごっこ。単なる体力勝負ではなく、追っ手の裏をかくトリック、思わぬ協力者の出現など、テンポのいい逃走劇にヒリヒリした。

原作は、1982年に刊行されたスティーブン・キングの同名小説。一部の富裕層と多数の貧困層に分断された「近未来」の米国が舞台となる。職を失ったベン・リチャーズ(グレン・パウエル)は難病の娘の治療費をかせぐために、巨大グローバル企業が主催する世界最大のリアリティーショー「ランニング・マン」に参加する。

「カイジ」「イカゲーム」のような限定された空間での心理戦や頭脳ゲームとは違い、逃走範囲は無制限。主人公が物理的に追い詰められるライブ感がすさまじい。懸賞金狙いの視聴者も追っ手となり、「狩り」に熱狂する。

「これって本当に“近未来”?」と疑いたくなったのは、原作の舞台が「2025年」に設定されていたからか。「いまこの瞬間に起きているかも…」と思わせるリアリティーが、作品の痛快さの裏にある「怖さ」を際立たせている。【松浦隆司】

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