年末には「らしい」テレビの特番が続々登場した。

12月27、28日にはテレビ東京系「旅の日 9時間SP」、28日深夜にMBSテレビ「オールザッツ漫才2025」、29日のABCテレビ「八方・今田のよしもと楽屋ニュース2025」、30日深夜から31日朝にかけてCSフジテレビONE「われめDEポン」が放送され、それぞれ楽しませてもらった。

「オールザッツ」「楽屋ニュース」には、M-1グランプリ王者のたくろうらお笑い芸人が多数出演。年末らしいにぎやかな内容だった。風間杜夫、萩原聖人ら芸能界の麻雀好きが対戦する「われポン」もマニアにはワクワクする夜だった。

太川陽介&蛭子能収コンビ以来の路線バス旅ファンである記者は、2日間で計9時間も放送される「旅の日」を楽しみにしていた。

今回のルートは、愛媛県の松山城を出発し、ゴールは福井県の東尋坊。4区間に分けられ、1区と3区では太川、2区はオードリー春日俊彰がリーダーを担当。サポート陣に安田大サーカス・クロちゃん、大友花恋、佐々木久美、バッテリィズのエースらが参加した。バスを乗り継いで、時間内にゴールできるか、太川も春日もマジで「少しでも前へ」と必死だった。

興味深かったのは、最後の4区。スピードスケートの五輪金メダリスト高木菜那をリーダーに、妥協を許さない姿勢から「軍曹」の異名を取る村井美樹、Aマッソ加納というメンバー。この顔ぶれを見て「高木、村井はバス旅の経験も十分あり。初参加の加納がにぎやかし役、かきまわし役だな」が第一印象だった。

が、番組を見続けていると、違った展開になっていく。最初こそ、バスのない区間を黙々と歩きながら「このあとの昼ご飯の話をしたいのに、あと何キロで、あと何分という話ばかり」と加納は高木と村井にあきれ果て、米原では1時間後に来るバスを待たず、次のバス停まで歩こうとする高木に「鬼やん!」と小声でささやいた。

しかし、ランチで腹を満たしてからは「バス旅というオファーを受けたんですけど」と文句を言いながら、高木と村井に食らいついて歩いていく。ふだんから「筋トレとジョギングはやってます」という積み重ねが利いたか、雪が舞う中も、淡々と歩き続けた。その距離、初日だけで計24キロ! バスが途切れる区間が長いうえ、北海道出身の高木が「冷たい!」と本音を漏らすほど、厳しい寒さだった。

最終日には、思わぬハプニング。進むべき道が悪天候で通行止めとなり、高木と村井が衝突した。「時間がないので、こっちに来てください」「どこに向かうのか、説明して!」「いいから信じてください」

結果、高木の主張で正しいルートに出られたが「この世界に入って、あそこまで緊迫したケンカは初めてでした」と加納が引くほどの真剣モードだった。

その加納に引っ張られるように、村井は途中から大阪弁にシフトチェンジ(加納と村井は大阪出身)。記者の予想を見事に裏切って、加納が2人の緩衝材となっていた。そしてゴールに近づくにつれ、3人の結束は強くなった。

バス旅の魅力は、体力の限界まで歩いたり、意見が衝突したりして、出演者の素顔がのぞくところにある。太川、蛭子もしかり。今回、高木と村井の口論には見ごたえがあったし、ヘラヘラしているように映る加納もいい仕事をしていた。バス旅シリーズは今年も見たい。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミへキタへ~」)