宝塚100周年以降“新世紀の顔”の1人、花組トップ明日海(あすみ)りおは、サヨナラ公演「A Fairy Tale-青い薔薇の精-」「シャルム!」で男役17年、トップ5年半を締める。最後の役は、罪の色に染まったバラの精霊。はかなさと美を表現する。「ひ弱」だった入団時から「たくましくなった」自身を重ねて臨む。新人公演は2年目の都姫(みやひめ)ここが初ヒロインに抜てき。宝塚が9月10日、東京は10月31日に上演される。

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入団1年半の104期生。都姫ここは、新人公演初ヒロインに「ただただビックリ」と初々しい。前作で仙名彩世が退団し、6年目の華優希が新トップ娘役に就いた。今作本公演は、華の本拠お披露目になる。

「組の雰囲気も変わっていると思います。華さんは『一緒に頑張ろうね。いつでも聞いてね』と、おっしゃってくださった」

主人公のバラの精霊に出会い、ひかれ合うヒロイン。映画「アラジン」の王女ジャスミンをイメージして役作りをしているという。

「役柄は貴族ですけど、年齢設定は幼少期から幅広く…。すごく芯が強く、自分の意志をちゃんと持った女の子。ジャスミンに似た、強い女性を自分の中で消化していけたら」

子供の頃、劇団に所属。高校のミュージカルコース研修で宝塚を知った。

「小さい頃から習っていたので、一番好きなのはダンス。体で表現するのが好き。でも今回、華さんのお芝居を研究していると、歌う中で気持ちを表現する力を学びたいと思いました」

ライバルは「自分」といい「自分に負けずに、1日1日を大切に、誰からも愛されるような娘役になりたい」。学ぶべきことを自覚。初々しさの中に、センターへ立つ覚悟もある。

☆都姫ここ(みやひめ・ここ)2月17日、岡山市生まれ。18年入団の104期生。初舞台後に花組配属。初作品「MESSIAH」新人公演で、華優希の役に抜てき。今年は柚香光主演の東京公演「花より男子」に出演。身長161センチ。愛称「ことか」「こつ」。