私たち記者は通常、1日数カ所の芸能イベントを取材します。

 映画の舞台あいさつ、カレンダーや書籍の発売イベント、お菓子の新商品発表会など、種類はさまざまです。大抵の場合、会場に報道受付なるものが設けられており、そこで名刺を渡して取材の許可を得ます。スポーツ紙以外にも、テレビ局、ウェブ媒体、週刊誌や専門誌など、取材する側もさまざまです。

 イベント内容にもよりますが、報道陣の数は、テレビカメラ7、8台、カメラマンや記者30人前後が相場。この報道陣の数で、イベントや出演タレントの注目度、人気度が分かります。

 TBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」に主演し、「恋ダンス」で社会現象を巻き起こした新垣結衣(28)が、このほどCMキャラクターを務める「十六茶」の新CM発表会に出席しました。イベント開始20分前、記者が会場に到着すると、受付が始まっているにもかかわらず、受付の前に大行列ができていました。その後も、続々と報道陣がやってきます。会場に入るとほとんど席が埋まっており、通路に座っている記者もいました。最終的に、テレビカメラ35台(目視)と100人超の記者、カメラマンが集まりました。冠婚葬祭や事件、事故以外で、こんなに報道陣が集まることはありません(ちなみに、昨年8月、高畑淳子が息子裕太の逮捕を受けて開いた会見は、テレビカメラ27台でした)。ガッキー人気の高さを、あらためて感じました。

 しかし報道陣の数は、時に残酷です。昨年11月、イジリー岡田(52)が開発に携わったカレーの発売イベントが、報道陣が集まらないという理由で中止になった、というニュースがありました。中止になるのは珍しいですが、記者が2、3人しかいないときは、ざらにあります。

 報道陣の数というのは当然、出演するタレントにも目に見えて分かります。どの業界でも似たようなことは起きているかもしれませんが、残酷なものだと感じました。