道交法違反容疑などで書類送検されるも今月6日に不起訴処分になった、お笑いコンビNON STYLE井上裕介(37)が7日、都内で、謝罪会見を開いた。会見冒頭に「世間をお騒がせし、迷惑とご心配をかけた」と1分間、頭を下げて涙を流した。衝突の感触はあったものの、「当たっていないと思ってしまった」と都合よく解釈したと説明した。所属事務所によると、仕事復帰は決まっていないという。

 200人近い取材陣が集まる中、井上は黒のスーツ姿で現れた。事故について「当たったかもしれないが、自分の都合のいいように当たってないと解釈してしまった」と説明。同乗していたスーパーマラドーナ武智(38)から「当たったんじゃないか」と聞かれたが「もし当たったんなら、向こうが車を降りてくるだろうと、その場を離れた。逃げたという意識はない」と釈明した。その後、警察から「お分かりですよね」と連絡があり、自宅で事情聴取に応じたという。

 事故の3日後、被害者のタクシー運転手に直接、謝罪した。その際には「逆に、僕の体のことを心配された。『井上さんと会うのはこれで最後にしましょう』と気遣ってくれた。こんないい人に本当に申し訳ないことをしてしまったと思った」と涙を流した。1月中旬に示談が成立。治療費や車の修理代は支払ったという。

 「井上の人生は、俺の人生でもある」と声をかけられ、謹慎中には1人で謝罪会見に臨んだ相方の石田明(37)には、この会見前に連絡。「ちゃんと、しゃべってこい」と言われたという。「石田君に助けていただいた。また力を合わせて、笑っていただけるように頑張る。一生懸命漫才をやっていく」と表情を引き締めた。

 会見は50分ほど続き、最後まで涙は止まらなかった。謹慎中は1歩も外に出ない生活だったという。「このまま、ずっと外に出ることがないのかもという気持ちになった。ファンの方々や、先輩の声に支えられた」。ただ、仕事復帰については「まだ、迷惑を掛けて、直接謝罪できていない方がたくさんいる。許していただいて、初めてお笑いが成立する。いつになるかは分からない」と話した。

<井上の事件経過>

 ▼16年12月11日午後11時45分 東京都世田谷区若林3丁目の都道で井上が運転する乗用車がタクシーと衝突後、通報せずに走り去る

 ▼同深夜 車のナンバーから特定され警察の事情聴取を受ける

 ▼同12日 体調不良を理由にレギュラー出演のTOKYO MX「ひるキュン!」などの出演キャンセル

 ▼同13日 井上の当面の休養を所属事務所が決定。お笑いコンビ、スーパーマラドーナ武智の同乗が明らかに

 ▼同14日 井上が被害者の運転手と対面して謝罪

 ▼同16日 相方の石田明が謝罪会見

 ▼17年2月1日 道交法違反(ひき逃げ)と自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで書類送検される

 ▼同3月6日 不起訴処分が決定