“キングコング”、映画史上もっとも世界中に愛され、恐れられてきた怪物。過去の映画に登場したコングの中でも最大級の怪物が暴れる「キングコング:髑髏島の巨神」(3月25日日本公開)は人類と怪獣たちとの戦いを描くシリーズの始まりとなっている。

 未知生命体の存在を確認しようと、学者やカメラマン、軍人からなる調査隊が太平洋の孤島“スカル・アイランド(髑髏島)”にやって来る。そこに突如現れた島の巨大なる“守護神”キングコング。彼を怒らせてしまった人間たちはコングに加え、島に潜む他の怪獣たちから逃げ惑う。次第に明かされる、島の秘密とは…?果たして調査隊は、島から脱出できるのか…?

 迫力満点の“キングコング”はもちろん映画のみどころの1つだが、本作で最も注目していただきたいのは映画の強いメッセージ性。“キングコング”という形で自然の圧倒的な力を見せつけられた人間たちの取る行動は、2つにわかれる。脱出を目指すグループと、真っ向から立ち向かうグループ。これはある意味で、現代の人間が地球の環境問題に取り組む姿勢を表していると言えるだろう。自然を前にした人間の小ささ。自然との触れ合い方。想像以上にメッセージ性を持った作品になっている本作は、ただのモンスター映画ではない。

 そしてこのメッセージを繊細に伝えるのが、豪華な実力派キャスト。主役のトム・ヒドルストンは誰もがひかれるかっこよさで調査隊を守ろうとする元隊員を演じる。ヒロインのブリー・ラーソンは、決して守られるだけではないフォトグラファーとして活躍。米軍人を演じるサミュエル・L・ジャクソンは、人間の醜い一面を見事に描き出す。メガホンをとったのは、本作が2作目となったジョーダン・ボート=ロバーツ監督。【ハリウッドニュース編集部】