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異色ヒロイン紺野千春、9歳息子の存在で変化が

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 邦画の公開本数は年間600本を越えている。テレビドラマでおなじみの顔だけでなく、地味ではあるが「いい仕事」をしている俳優は少なくない。紺野千春(41)はそんな1人だ。「青春☆金属バット」(06年、熊切和嘉監督)の一人二役、インディーズ作品での数々の主演…。自然体の中に純情、優しさ、そして怖さをキラリと光らせている。

 最新主演作「クロス」(奥山和由、釘宮慎治監督)では、過去に殺人事件を起こした異色のヒロインの贖罪(しょくざい)と秘めた欲望に体を張っている。7月1日の公開を前に話を聞いた。

 -脚本は宍戸英紀さんの城戸賞受賞作。殺人で有罪になったヒロインが服役を終えたところから始まる異色作です。一見、おっとりと見える紺野さんには似合いそうもありません。

 紺野 監督からは逆に、「過剰な見せ方をするな」とずいぶんしつこく言われました。「普段の紺野さんのままでいいから」と。それってすごく難しい。心に闇というかすごく重いものを意識してその上で自分であり続けるのって。もとの仕事が美術教師で両親が厳しい家庭環境。そういう設定を手がかりに役を作りました。完成した映像で見ると驚くほど暗かったですね。私ってこんなに暗かったかなって思うくらい。

 -禁欲的に生きるヒロインが欲望を解き放つラブシーンが記憶に残りました。

 紺野 贖罪(しょくざい)の日々に残された欲はあそこしかないんですね。途中で自分から上になったり。生きている証として必要不可欠な場面だと思ったので、自分を解放して「無」になったら、いつの間にかずいぶん能動的に動いてましたね。

 -日本では、出演しているCMの関係や所属事務所の方針などで、露出に制限のある女優さんも少なくありません。法律以前に演出の「自主規制」が現実にあると思います。

 紺野 すごく遠い存在ですけど、(仏女優の)ジュリエット・ビノシュ(53=アカデミー賞、世界3大映画祭のすべての女優賞を受賞)が大好きで、憧れています。「アクトレス」(14年)という映画に、スイスの山中でパッとすべて脱いでしまうシーンがあるんですけど、あれは彼女のアドリブなんですって。インパクトありましたよね。後先考えずにどれだけ自分を解放できるか、さらけ出せるか、彼女にはそういうところを感じます。

 畏れおおいですけど、私もそうありたい。監督さんにうながされるよりは、歯止めをかけられるくらいになりたいです。変に思われたら困りますけど、限界ボロボロまで挑むのが好きなんです。すべてをさらけ出せるような作品に一生のうちに何度出会えるのだろう。そんなことを考えます。

 -17年前に広田レオナさんが監督した「DRAG GARDEN」(00年)に主演して、注目されるようになったと思いますが、そもそも女優を目指したきっかけは?

 紺野 14歳のとき、小林旭さんが製作した「春来る鬼」という映画がありまして、そのオーディションに旭さんファンの母親が私の知らないうちに応募したのがきっかけです。実はヌード・シーンのある役で、中学生の私は断念せざるを得なかったんです。でも、キャスティング担当の人が気にかけてくださって、その後もCMや映画のオーディションを受けるうちに「女優」という仕事を意識するようになりました。そこから数えるともう30年になるんですね。

 -長く続けられた理由は何でしょう。

 紺野 何度も「もうダメだ」と思うことはあるんですけど、止めようと思ったことは1度も無いですね。今回のような、やり切ったと思える作品に出会うと、しばらくは他で味わえない達成感がありますから。

 年を重ねると、ものの感じ方が変わってくるし、表現も自然と変わるので、それも楽しいですね。実は今年9歳になる男の子がいまして、出産した2008年(平20)から、ずいぶんものの見方が広がりましたね。一緒に自転車をこぐときも全力じゃないと置いていかれるし、ボルダリングに同行したときは全然ついていけなくて。この年になったら仕事のためにも体を鍛え直さなくてはいけないな、と。子どもに教えられた気がします。

 おっとりと話すが、女優としての姿勢にはブレがない。初めて聞いたお子さんの存在がそんな強さの根底にあるようだ。憧れのビノシュは10歳上。10年後も楽しみな女優さんだ。【相原斎】

 ◆紺野千春(こんの・ちはる) 1975年(昭50)12月28日、鳥取生まれ。00年の「DRAG GARDEN」に主演したほか、「青春☆金属バット」「オーファーザー」などの映画に出演。最近のテレビドラマに「ハガネの女」「恋愛検定」などがある。CM出演も多く、現在「t-fal」「メットライフ生命」に出演中。

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