歌舞伎俳優・市川海老蔵(39)が23日、自主公演「市川海老蔵 第四回 自主公演 ABKAI 2017~石川五右衛門 外伝 ~」を上演中の東京・渋谷のシアターコクーンで会見を開き、妻の小林麻央さんが22日、乳がんで亡くなったことを明らかにした。

 海老蔵は午後2時37分、黒のスーツで登壇した。劇場下手から舞台へ向かうその目には、涙が浮かんでいた。

 海老蔵 このたびは、わざわざご報告するようなことではないのかも知れないですけども、今朝、家の前にも多くのマスコミの方がいらっしゃいまして、ご報告をするというのも、1つの義務なのかと思いまして。昨日(22日)夜に妻、麻央が旅立ちました。それによりまして、いろいろとございます中、家族の時間や、家族でしなくてはならないこと、家族で話すべきこと、子どもたちとの…そういったことの時間の中で、思った以上に皆さんに伝わったのが速かったということで。急きょ、皆さんにお時間を作っていただきましたのも、多くの方にご迷惑をかからないように、そしてブログや、アナウンサー時代から妻のことを応援してくださった方々にご報告ということで、このような時間を設けさせていただきました。

 -麻央さんの最後は、どのようにみとられ、どのような言葉をかわしたのか

 海老蔵 私は昨日も舞台でございまして、それまで(姉の)麻耶さんと麻央のお母さんがずっと看病をしていました。私は昨日、舞台が終わった後に、ここで別の撮影がございまして、その後に、また別の稽古がございました。その時に、お母様からLINEがきていたんですけども、僕はちょっと見ることが出来ませんでした。1時間半ほど遅れて見た内容が「具合が悪い。ちょっとお医者様も来ていて、家族を呼んだ方がいい」というような内容でございまして、ちょっと慌てて家に帰ったわけです。そうして帰りますと、まだ麻央はこの世にいてくれて…。たまたま、本当にたまたまなんですけども、私が妻のところに座って、呼吸が苦しそうだったので、大丈夫かな…と。一昨日まではしゃべれたんですけど、昨日はしゃべられずにいた。これは本当に不思議な話ですけど、息を引き取る瞬間、私は見ていました。その時…これは本当に不思議なんですけど「愛している」と言って。彼女が、そのひと言を言って…泣いちゃいますよね。そのひと言「愛している」と言って、そのまま旅立ちました。

 -「愛している」という言葉を、麻央さんは受け止めたように見えた?

 海老蔵 僕が言ったわけじゃなくて、彼女が旅立つ間際に「愛している」と…「る」が聞こえたか聞こえないかは、分からなかったですけど「愛している」と言って旅立ったのが…。こんなに、愛されていたのはよく分かっていたんですけど、最後の最後まで愛してくれていたことに…何とも言えませんね。すみませんね。どうしてもね、昨日の今日で何も準備も出来てないで、このようなところで、お見苦しいところをご覧に入れて。

 海老蔵はそう語ると、涙が止まらなかった。