マレーシアの政府系ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」の資金が不正に流用され、ナジブ首相の義理の息子ら親族が米国内で不動産などの購入資金に充てていたとの疑惑が浮上。米司法省はおよそ17億ドル(約1907億円)におよぶ関連資産の差し押さえを求め、訴訟を起こしたと報じられている。

 米ウォールストリート・ジャーナル紙は26日、スーパーモデルのミランダ・カー(34)が、以前交際していた「1MDB」設立の中心人物であるジョー・ロウ氏から贈られた810万ドル(約9億円)相当のジュエリーを米司法省に引き渡したと報じた。

 「1MDB」は容疑を否定しているが、ロウ氏は今後、刑事訴追される可能性が高いとみられている。カーは2014年ごろ、1年ほど交際していたロウ氏から11.72カラットのハート形のダイヤモンドのペンダントをバレンタインのプレゼントとして贈られたという。

 カーの広報は同紙に、「ミランダは初めから、政府の要請に完全に協力的で、贈り物のジュエリーを引き渡すことを誓いました。今後も、出来る限り協力を続けます」とコメントした。カーは2015年、「スナップチャット」共同創業者でビリオネアのエヴァン・スピーゲル氏と交際をスタート。先月、同氏とロサンゼルスで挙式した。

 ロウ氏と深い親交があったレオナルド・ディカプリオ(42)も同スキャンダルに巻き込まれ、ピカソの絵やマーロン・ブランドが受賞したオスカー像などの贈り物を米政府に自主的に返還している。

 レオ主演でオスカー候補作となった映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2014年)の製作資金にも、「1MDB」関連のマネーロンダリング資金が関わったことが判明し、ハリウッドにも国際マネースキャンダルの余波が広がっている。(ニューヨーク=鹿目直子)