歌手原田真二(58)が今月26日、デビュー40周年記念アルバム「TIME TRAVEL」を発売する。デビューから3カ月連続でシングルを出し、3曲を同時ヒットさせた早熟の天才アイドルもアラ還に差し掛かったが、今後も音楽に関わり続ける意欲満々だ。このほど日刊スポーツの単独インタビューに応じ、40年の道のりを振り返り、今後の活動も明かした。

 「これは『ビフォー、アフター』。今は完全なジジイですね」。40年の軌跡をCD3枚の40曲にまとめたシングルコレクションアルバム「TIME TRAVEL」。そのジャケット写真と、1977年10月のデビュー曲「てぃーんず ぶるーす」の自分の写真を見比べながら原田は大笑いした。「40年前は肩まで伸びていたモジャモジャの髪をデビューする前に切らされたんです。生意気にも『嫌だ』と反対したんですけどね」と懐かしんだ。

 登場は衝撃的だった。デビュー曲から「キャンディ」「シャドー・ボクサー」と3カ月連続で発売し、3曲が同時にオリコン週間ランキングのベスト20にランクインするヒット。オリコン史上初の快挙だった。翌年2月発売のファーストアルバム「Feel Happy」もオリコン初登場1位。10代男性ソロアーティストで、初アルバムが同ランキングで初登場1位になったのは現在まで原田のみだ。

 カーリーヘアとかわいらしいルックス、ハスキーボイスにファンは熱狂し「早熟の天才」と呼ばれた。あれから40年。道のりを振り返り「あっという間。楽しいことだらけでツアー、コンサート、レコーディングの作業はワクワクするし、クリエーターとしては最高の喜びです」と話した。

 一方、消し去りたい過去を聞くと、00年から何度か報じられた松田聖子(55)との不倫疑惑騒動を挙げた。当時聖子は再婚した歯科医師の夫がおり、原田は一般女性の妻がいた。原田も聖子も否定したが「ダブル不倫」と一部で報じられた。原田は今回、あらためて「00年から聖子さんのプロデュースをすることになって、楽曲提供してコンサートをしたのが、お付き合いをしているようになっただけ」と完全否定した。

 特に01年9月の米中枢同時テロ事件当時の件に怒りをあらわにした。「ハワイで聖子さんのアルバムのジャケ写撮影をしている時テロが発生。飛行機が飛ばず1週間くらい足止めになった。そこでランチミーティングをしていた写真を撮られて『世界が大変な時に隠れて密会』みたいに報じられた」。広島生まれの原田は平和に関する音楽活動がライフワーク。「僕の活動も知らないで、最も不本意なことでした」と語気を強めた。

 今年秋から47都道府県を回るツアーを計画中。「生演奏で僕の曲を全国に届けたい。その時に、このアルバムを聴いてもらっていれば、デビュー当時の僕しか知らないような人でも、40年のタイムラグを一気に縮められるはずです」と笑顔で意気込んだ。【松本久】