16日に引退する安室奈美恵(40)が12日、NHK「あさイチ」(平日午前8時15分)にVTR出演した。

「おはよう日本」(平日午前4時30分、土曜午前6時、日曜午前7時)のキャスター和久田麻由子アナウンサー(29)と、近江友里恵アナウンサー(30)がインタビュアーを務めた。

引退を控えての心境を聞かれると「1つ1つきちんと自分の気持ちを伝えてきたし、きちんと完結したものをこの1年間やってきた。あとはみんなで楽しんで16日を迎えるだけ、という感じはします」。16日の過ごし方については「多分、沖縄にいると思います」と話した。

引退表明を機に、企業のテレビCMや全国各地で安室に感謝を伝えるイベントなどが開催され、ファンの思いを受け取る機会が多くなった。ファンからのメッセージVTRを見ると涙を浮かべ「ファンの皆さんの声を聞く機会がなかったので、この1年は特にそういう機会が多くて、単純にうれしいです」と目元を拭った。引退後にやりたいことを聞かれると「思い付かないですね。これから趣味探しです」と笑った。

97年、20歳で結婚し妊娠。1年間の活動休止期間を経て復帰した。「まだ20歳だったので、1年が長くて。長いなって思った瞬間に焦りが押し寄せて来て。自分のポジションは何だろう、今後どうしたらいいんだろうと考え始めた時期でした」と振り返った。同世代の母親にメッセージを、と伝えられると「すぐにいろんなものがたまってしまって、気付いた時には動けなくなる。1人で悩まず小さなことでも相談して、1つ1つ解決して楽しく過ごして欲しい。口で言うのは簡単、でも実際は大変。頑張って欲しい」とエールを送った。

ラストライブツアーで最後に歌ったのは、95年から01年まで安室の楽曲を手掛けた小室哲哉プロデュースの新曲「How do you feel now?」だった。選曲理由について「小室さんにプロデュースしてもらってた時を思い出したし、楽曲を聴いた時に、これは絶対最後に歌うと決めていました」。小室との出会いについては「あんまり覚えてないかも。私も小室さんもお互いに人見知り」と笑ったが、「こんな偉大な人がプロデュースしてくれるんだってすごくうれしかったです。でも、曲に、期待に応えなきゃってプレッシャーは同時進行でありました」と明かした。01年に小室の元を離れ、セルフプロデュースの道を選ぶ。「いつか卒業しなきゃという気持ちは10代の時からありました。産休が明けて、今吸収したものを全て活用するにはどうしたらいいんだろうと。小室さんのプロデュースを離れた時から、本当の始まりなのかなって」。自身で音楽を手掛けることで「音楽は聞くのも作るのも楽しい。初めて音楽というものに触れた感じがしました」と語った。

引退については、改めて「私の中では25周年で歌手の安室奈美恵は全て完結しているので、ステージに戻ることはないです」と言い切った。別れを惜しむファンへは「ファンの皆さんは、それぞれの過ごし方をこの1年通して考えてくださっていると思う。音楽を通して私とファンの皆さんがつながったように、他の音楽やアーティストさんとつながることもあると思う。そこで音楽というものを楽しんで欲しい」とメッセージを送った。

インタビュー後、安室は「たくさんお世話になりました。ありがとうございました」と声を震わせながら深々と一礼した。

安室は10日放送の「おはよう日本」にもVTR出演。引退を目前に控えての心境や1年前に引退を発表した意図、沖縄を最後のステージに選んだ理由などについて語っていた。