松任谷由実(64)が23日、全国ツアー「タイムマシーンツアー」盛岡公演を盛岡タカヤアリーナで行った。

ライブは過去の名場面演出を新しく作り替えて構成した。冒頭でユーミンは「どこかで見たことがある、懐かしさがあると思いますが、初めての方には、こういうライブをやってきたということを知ってほしいです」と、集まった4900人に呼び掛けた。

総製作費は30億円。79年「OLIVE TOUR」の東京・中野サンプラザ公演で子象に乗って登場した伝説の演出をヒントに、2曲目「Happy Birthday to You~ヴィーナスの誕生」では、高さ2・4メートル、全長3・9メートルのリアルな巨大ロボット象に乗って登場。観客をわかせた。

8着の衣装も過去の衣装をヒントに、現代風にアレンジした。中盤で82年「パールピアス」ツアーのオマージュで、当時大流行したソバージュヘアにカラフルなライダースジャケットを着用。「『しもしも~平野ノラで~す』なんて言いたくなっちゃいますね。笑っちゃうけど、この衣装やヘアスタイルは、80年代でこれが普通だったんですよ。当時、一生こうなのかなと思っていました。時間がたつのはこわいものですよ」と照れ笑いした。

ツアーは前日22日に同所で開幕し、2日間で計9800人を動員した。来年4月7日の横浜アリーナ公演までで、14会場32公演で計32万人を動員する予定。

この日のコンサートは2時間半以上。「ベルベット・イースター」を皮切りに、「守ってあげたい」「春よ、来い」など計28曲を披露した。全国ツアーを盛岡から開始するのは初めて。「大好きな町からツアーを始められてうれしいです」と笑顔を見せた。アンコールでは、当初予定にはなかったが、盛岡をテーマにした「緑の町に舞い降りて」を披露。地元ファンを喜ばせた。

ユーミンは名場面演出をヒントにした構成に触れ「45年前のライブもつい昨日のことのようです」としみじみと言った後「これで引退かと思うかもしれませんが、私はまだまだこんなものでは終わりませんよ!」と宣言。さらに「聴いてもらいたい作品やショーのアイデアがいっぱいあります。次のショーでまた会いましょう」と、今後の活躍を力強く誓った。