歌手天童よしみがカンテレ開局60周年特別ドラマ「なめとんか やしきたかじん誕生物語」(20日午後7時、関西ローカル)で初のナレーションに挑戦した。

同ドラマは関西の視聴率男と呼ばれ、歌手やテレビタレントとして人気を博し、14年1月に亡くなったやしきたかじんさん(享年64)の著書や関係者への取材を基に、知られざる長い下積み時代から晩年までをフィクションで描く。駿河太郎がたかじんさん役を務め、西村和彦、大平サブロー、桂ざこば、トミーズ健ら縁のある多くの人物が出演する。

天童にとってたかじんさんは、スターになるきっかけを作ってくれた「恩人」だという。天童が東京から大阪に戻って活動していたころ、その才能を認め、自身が司会を務める関西ローカルの番組企画で天童よしみを応援するプロジェクトを立ち上げた。その後、天童は紅白出場を果たした。

天童は「豪快そうに見えて、ものすごく繊細。歌を歌うときも気持ちがすごく入るし、一言一言を大切に歌って流さないから、聞いている人はドンと胸に来るんです」と懐かしそうに振り返った。

収録を終えた天童は「ナレーションというより、セリフのようにたかじんさんのドラマに入っていけました。最悪な時代を経て頑張ってこられたんだなと新しい発見があった。『たかじんさんはこうだったのか』とすごく胸にぐっとくることが何度もありました」と目をうるませた。

自らが歩んだ道とたかじんさんの人生をオーバーラップさせて「東京に行って大阪に戻ってきた境遇が私と似ているので『よしみ頑張れ、よしみ頑張れ』と応援してくれたんだろうなと思います。感謝の気持ちで読ませていただきました。たかじんさん喜んでくれるかな」と天国の恩人にメッセージを送った。

17、18両日に大阪南港ATCホールで開催される「開局60周年!カンテレ8ppy大感謝祭」では、「なめとんか やしきたかじん誕生物語展」を開催する。たかじんさんの大学時代の下宿シーンを撮影したセットのフォトスポットやドラマシーンの写真、愛用ギターも展示する。