フジテレビの佐々木恭子アナウンサー(46)が、12日に心不全のため亡くなった女優市原悦子さん(享年82)をしのび、過去にインタビューした思い出をつづった。

佐々木アナは15日、ブログを更新。市原さんの訃報に際し、2005年にインタビューした当時の映像が情報番組でオンエアされたことに触れ、「さまざまなことを思い出します。あの、どこかのんびりとゆったりとした声にふんわりと包まれながらも、とてもいい緊張をくださる方でした」とつづった。

インタビュー当時の状況は「『やがて来る日のために』という介護がテーマのドラマに出演されるときで、ご自身も退院して間もなく、のタイミングだったと思います。病気、老い、死生観……などインタビューのテーマも自ずと重いものでした」という。

「初対面の、まだ30そこそこの私に、簡単にそんな大切な話を赤裸々に吐露されるはずもなく、何度も何度も違う質問をしながらも ご自身の病気を通して気づいたこと? 何か演技に生かされたことは? 等々、私自身の心の中で焦りがあったのだと思います。そんな時。ご自身の若いころを振り返りながらも『若さと健康って、暴力的なものだから……』ととてもにこやかにほほ笑まれたとき、はっきりと、自分自身の胸に刺さったのを覚えています」と振り返った。

市原さんの一言を「インタビューって、自分が聞きたいことを聞くのではなく、相手の心に寄り添ってこそなのだと教えていただいたと思っています」と受け止めた佐々木アナ。「もちろん、ご自身がどういう意図でおっしゃったかを確認したわけではないですが……。深い反省が伴ったインタビューだったのを、今もはっきり記憶しています」とつづり、「そして、存在と言葉のひとつひとつが、唯一無二の重さを持つ方と、もう直接お目にかかれないのが、、、寂しいです」と哀悼した。