12日に心不全で亡くなった女優市原悦子さん(享年82)の葬儀が18日、東京・青山葬儀所で行われた。

弔辞は、市原さんの初主演映画「蕨野行」を監督した恩地日出夫監督(85)が読んだ。「市原さんと会ったのは、57年封切りの映画『雪国』でした。太った芸者さん役で、衣装合わせの市原さんを見た時、原節子さんら美人女優ばかりの撮影所で食傷気味だった私は、こういう女優さんもいるのかと思った。後年、そう話すと、『私は不美人ですよ』と笑っていました」。

市原さんは、恩地監督の作品に数多く出演した。「新人を使いたいと思った時、いつも市原さんがいたから、何とかなりました。泉谷しげるが、吉展ちゃん事件の映画で初めて芝居をした時も、市原さんがいなければ、彼を使う勇気はなかった。市原さんがいる、と甘えた気持ちがあるから、仕事ができた。映画、ドラマと長い間、付き合ってくれてありがとうございました」と感謝した。

式場外に特設された献花台では100人を超える一般ファンが献花した。