演歌歌手原田悠里(64)が、初のアジア公演を台湾・松山文化クリエーティブパークで行った。

「皆さんこんにちは(ダー ジャー ハオ)。私は原田悠里です(ウォ スー ハラダユリ)。台湾が大好きです(ジェイ シーファン)。コンサートができてうれしいです(ウォ ヘン ガオ シン)」と中国語であいさつをすると、割れんばかりの大拍手を一身に浴びた。

「古都旅情」で始まったライブは代表曲「津軽の花」や台湾を舞台にした曲「我愛■(ワーアイリー)」で盛り上がり、「愛の讃歌」のピアノの弾き語りも披露する約1時間半で14曲を披露。「台湾の皆さんが日本をすごく愛してくれていることに感謝します。日本の人がもっと台湾を好きになるために、自分は小さな橋渡しをしたい。今年が私にとっての『台湾元年』です」。国際親善への熱い思いも口にした。

初めて台湾を訪れたのは6年前。プライベートの観光旅行だったが、すぐに魅力のとりこになった。「すごく親日的で人が優しい。今は台湾の空港に着陸する時に、飛行機から街並みをみると懐かしい感じさえする」とほれこんでいる。

台湾ではカラオケ文化が日本以上に根付き、原田の「津軽の花」「木曽路の女」などは定番曲としてすごく人気がある。昨年2月に「我愛■」を発売すると、一気に“原田人気”に火が付いた。8月には劇画原作者・故梶原一騎氏の元妻の歌手白冰冰(63)が司会するトーク番組にゲスト出演。同曲を歌唱すると大きな話題を呼んで、今回の公演に結びついた。

公演の合間をぬって「縁結びの神」として有名な神社「霞海城隍廟」の訪問も行った。「まずお願いしたのは『我愛■』が多くの人に愛されることです」。そしてすてきな恋人との出会い。16年秋に30歳下の恋人との破局が明らかになったが、その後は浮いた話を聞かない。「日本で願いがかなわなかったので…」と苦笑しながら「国籍は問いません。もちろん台湾の人でも大歓迎です」。曲が愛されるとともに自身も愛されたい。そんな思いで、神社からもらった真っ赤なお守りを手にして、何度も手を合わせた。

そして、99~01年まで3回連続出場して以来、遠ざかっている18年ぶりのNHK紅白歌合戦だ。「昨年、北島(三郎)先生が出てすごく盛り上げた。私もあの輪の中に入って盛り上げたいと思いました」と闘志に火を付けた。

今や“第2の故郷”とも呼べる大好きな台湾。そこで、歌手生活37年目に入る原田が新たな出発を誓った。【松本久】

 

※は女ヘンに欠の人が小